床のリフォームは、住まいの快適性や見た目を大きく変えるリフォームのひとつです。「床の傷みが気になってきた」「部屋の雰囲気を変えたい」「子どもの足音対策をしたい」など、きっかけはさまざま。この記事では、床リフォームの全体像をつかめるよう、きっかけや床材の種類、費用の目安、施工の流れ、注意点まで幅広く解説していきます。
床リフォームを考えるきっかけ

床リフォームのきっかけは「見た目をきれいにしたい」だけではありません。ライフスタイルの変化や家族構成の変化など、暮らしの中で「そろそろ床をどうにかしたい」と感じる場面はいろいろあります。ここでは、よくあるきっかけをご紹介します。
床の傷み・劣化
フローリングの表面が剥がれてきた、歩くとギシギシ音がする、畳がささくれてきた——。こうした症状は床材の耐用年数が近づいているサインです。一般的にフローリングの寿命は10〜20年程度とされており、放置すると下地まで傷みが進行する場合があります。気になる症状があれば、早めの点検をおすすめします。
見た目・雰囲気を変えたい
床は部屋の中で大きな面積を占めるため、素材や色を変えるだけで空間の印象がガラッと変わります。「古くなった床を今のインテリアに合わせたい」「暗い印象の部屋を明るくしたい」といった理由で、リフォームを検討される方は多いです。
バリアフリー対応
高齢のご家族がいる場合や将来に備えて、段差解消や滑りにくい床材への変更を検討されるケースが増えています。部屋間の段差をなくし、手すり設置と組み合わせることで、転倒リスクを大幅に軽減できます。
防音対策
マンションにお住まいの方で「子どもの足音が階下に響いていないか心配」というご相談はよくあります。遮音性の高い床材に変更したり、防音マットを組み合わせたりすることで、階下への音の伝わりを大幅に抑えられます。
床暖房の導入
冬場の冷えが気になるリビングやダイニングに、床暖房を後付けするリフォームも人気です。床暖房対応の床材を選ぶ必要があるため、導入を検討する場合はリフォームの計画段階から業者に相談しておくことが大切です。
間取り変更に伴う床の刷新
和室を洋室に変更したい、リビングと隣の部屋をつなげてワンフロアにしたいなど、間取り変更を伴うリフォームでは床の張り替えがセットになるケースがほとんどです。大規模リフォームの際は、床材の統一やデザインの調和まで含めて計画しましょう。
床材の種類
住宅で使われる代表的な床材をご紹介します。ひとくちに「床材」といっても種類はさまざまで、それぞれ見た目・肌触り・価格帯・お手入れのしやすさが異なります。ここでは主な5種類の特徴をざっくり押さえておきましょう。
フローリング(無垢・合板)
住宅で最もよく使われる床材です。天然木をそのまま使った「無垢フローリング」は木の風合いや経年変化が楽しめますが、価格はやや高め。複数の板を張り合わせた「合板(複合)フローリング」は安定した品質とコストのバランスが魅力です。リビングから寝室まで幅広い空間に対応できます。
クッションフロア
ビニール系の柔らかいシート状の床材で、防水性に優れているのが最大の特徴です。トイレ・洗面所・キッチンなど水回りによく使われています。デザインも豊富で、費用も比較的抑えやすい床材です。
フロアタイル
塩ビ素材のタイル状床材で、木目調や石目調などリアルな質感を再現できます。耐久性が高く、汚れた部分だけ1枚ずつ交換できる手軽さも魅力です。最近では住宅のリビングやキッチンに選ばれるケースも増えています。
カーペット
保温性と防音性に優れ、柔らかい肌触りが特徴です。寝室や子ども部屋など、足音や衝撃を吸収したい空間に向いています。ダニやホコリが気になる場合は、防ダニ加工のものを選ぶとよいでしょう。
畳
和室にはやはり畳。い草の香りや弾力性が、くつろぎの空間を演出します。最近は正方形の「琉球畳」で和モダンに仕上げるスタイルも人気です。表替えや裏返しなど、メンテナンス方法も複数あります。
床材の選び方
床材の種類がわかったところで、次に気になるのが「自分の家にはどれが合うのか」という点ではないでしょうか。ここでは、床材選びで押さえておきたいポイントを4つに絞ってご紹介します。
耐久性・メンテナンス性
リビングなど人の出入りが多い場所は、傷がつきにくく掃除がしやすい床材が適しています。ペットがいるご家庭では、滑りにくさや耐水性も大事なポイントです。日頃のお手入れのしやすさも含めて長い目で検討しましょう。
デザイン・インテリアとの調和
床材は部屋の中で大きな面積を占めるため、壁紙や家具との相性が仕上がりの印象を大きく左右します。サンプルを取り寄せて、実際の照明のもとで色味や質感を確認しておくと、イメージ違いを防げます。
予算とのバランス
無垢フローリングは高級感がある一方で材料費が高め、クッションフロアや合板フローリングはコストを抑えやすい傾向です。予算に応じて必要な機能やデザインに優先順位をつけ、バランスよく選びましょう。
機能性(防音・防湿・バリアフリー)
マンションでは遮音性が求められるケース、1階で湿気が気になるケース、高齢者がいて段差をなくしたいケースなど、暮らしの状況に応じて確認しておきたいポイントがあります。床材だけでなく下地や施工方法との組み合わせで対応できる場合も多いため、リフォーム会社に相談するのがおすすめです。
床リフォームの工法
床リフォームにはいくつかの工法があり、どの方法を選ぶかによって費用や工期、仕上がりが変わってきます。「今の床をどうするか」という施工方法の違いと、マンション特有の床構造についてそれぞれ押さえておきましょう。
張り替え
既存の床材をすべて剥がしてから、新しい床材を施工する方法です。床材を撤去するため下地の状態を直接確認でき、腐食やシロアリの被害があればこの段階で補修できるのが大きなメリットです。畳からフローリングへの変更など、床の構造自体を変える場合や、築年数が古く下地の傷みが心配な場合はこの工法が基本になります。撤去・処分の費用がかかるぶん、上張りに比べてコストは高くなりますが、長い目で見て安心感のある選択です。
上張り(重ね張り)
既存の床材を残したまま、その上に新しい床材を重ねて施工する方法です。剥がす手間がないため、張り替えに比べて工期が短く、費用も抑えやすいのが特徴です。ただし、床の高さが数ミリ上がるため、ドアの開閉に干渉する場合や、部屋ごとに段差ができる場合があります。また、下地の状態を確認できないので、既存の床にきしみや沈みがある場合には向いていません。「見た目を手軽にきれいにしたい」「今の床の状態に特に問題がない」という場合に適した工法です。
マンションの床構造(直貼り・二重床)
マンションの場合、コンクリートのスラブ(構造体)の上にどのように床を組むかによって「直貼り」と「二重床」の2つの構造に分かれます。直貼りは、コンクリートの上に直接接着剤で床材を貼る方法で、天井高を確保しやすいのが利点です。ただし、遮音性能は床材自体に頼ることになるため、遮音等級を満たしたクッション付きの床材を選ぶ必要があります。二重床は、コンクリートの上に支持脚を立てて下地板を載せ、その上に床材を施工する方法です。床下に空間ができるため配管の自由度が高く、遮音性にも優れますが、そのぶん費用は高くなります。マンションで床リフォームを行う際は、現在の床構造がどちらなのかを事前に確認し、管理規約で求められる遮音等級と合わせてリフォーム会社に相談しましょう。
床リフォームの費用・工事期間の目安
床リフォームの費用は、床材の種類と施工方法によって大きく変わります。以下に、6畳(約10㎡)あたりの費用相場と工事期間の目安をまとめましたので、参考にしてみてください。
| 床材 | 張り替え費用 (6畳目安) | 重ね張り費用 (6畳目安) | 工事期間 |
|---|---|---|---|
| 複合フローリング | 13万〜20万円 | 10万〜15万円 | 2〜3日 |
| 無垢フローリング | 18万〜28万円 | — | 2〜4日 |
| クッションフロア | 6万〜12万円 | 5万〜8万円 | 1〜2日 |
| フロアタイル | 8万〜15万円 | 6万〜10万円 | 1〜2日 |
| カーペット | 5万〜12万円 | — | 1〜2日 |
| 畳(表替え) | 4万〜15万円 | — | 1日 |
| 畳(新調) | 9万〜25万円 | — | 1〜2日 |
※上記は一般的な費用の目安です。既存の床材や下地の状態、建物の構造によって変動します。
費用に差が出る大きな要因のひとつが施工方法です。「張り替え工法」は既存の床材を撤去してから新しい床材を施工するため、下地の状態を確認・補修できるメリットがある反面、撤去費用がかかります。「重ね張り(上張り)工法」は既存の床の上に新しい床材を重ねるため工期が短くコストを抑えやすい一方、床の高さが上がりドアとの干渉が生じる場合や、下地の問題を見落とすリスクがあります。
また、畳からフローリングへ変更する場合は下地の高さ調整が必要になるため、通常の張り替えよりも費用が上がる傾向があります。正確な費用は現地調査のうえでの見積もりが基本ですので、複数社から相見積もりを取ることをおすすめします。
床リフォームの流れ
床リフォームは、問い合わせから工事完了まで一般的に1週間〜1か月程度かかります。あらかじめ全体の流れを把握しておくと、スケジュールが立てやすくなります。
現状調査・ヒアリング
まずはリフォーム会社に問い合わせ、現地調査を依頼します。担当者が床の状態や下地の劣化具合を確認し、希望や予算を聞いたうえで、最適なプランを考えてもらえます。
プラン提案・見積もり
現地調査の結果をもとに、床材の種類や施工方法の提案と見積もりが提示されます。サンプルを確認しながら、デザインや機能面の希望を伝えて調整していきます。複数社から見積もりを取って比較すると、費用と対応の両面で納得のいく選択がしやすくなります。
契約・着工
プランと費用に納得できたら契約を結び、工事日程を調整します。マンションの場合は管理組合への届出や近隣への挨拶が必要になるため、余裕をもったスケジュール設定が大切です。
施工・完了検査
施工中は、家具の移動や養生が行われます。住みながらの工事では、部屋ごとに順番に施工するなど生活への影響を最小限に抑える段取りが重要です。工事完了後は仕上がりを一緒に確認し、問題がなければ引き渡しとなります。
床リフォームの注意点
床リフォームは完成してしまうと簡単にはやり直せません。「こうしておけばよかった」と後悔しないために、工事前に押さえておきたい注意点をまとめました。
床下の状態を必ず確認する
床材の表面はきれいに見えても、下地の合板や根太が腐食していたり、シロアリの被害を受けていたりする場合があります。特に築年数の古い住宅や、歩くと床が沈む・きしむといった症状がある場合は、重ね張りで済ませず下地の点検をしっかり行いましょう。下地の問題を見落としたまま施工すると、数年で再工事が必要になるケースもあります。
マンションの管理規約を確認する
マンションで床リフォームを行う際は、管理規約で定められた遮音等級(L値)の基準を必ず確認してください。多くのマンションでは「LL-45以上」の遮音性能が求められており、基準を満たさない床材で施工すると、管理組合から原状回復を命じられる場合もあります。また、工事の申請や近隣住民の承諾が必要なケースもあるため、計画段階で管理組合に相談しましょう。
工事中の生活への影響を想定しておく
住みながらリフォームを行う場合は、施工中の音や振動、ホコリの発生、施工エリアが使えなくなる期間を事前に把握しておきましょう。家具の移動が必要になることもあります。施工会社と綿密にスケジュールを打ち合わせ、生活への影響を最小限に抑える段取りを相談しておくと安心です。
床リフォームは自分でできる?
「できるだけ費用を抑えたいから、自分でやってみようかな」と考える方は少なくありません。実際にDIYで対応できる範囲もありますが、プロに任せた方がよいケースもあります。ここではDIYとプロへの依頼、それぞれの特徴を解説します。
DIYでできる範囲とメリット
クッションフロアの重ね張りや、はめ込み式のフロアタイルの敷き込みなど、既存の床の上に重ねるタイプの作業は、DIY初心者でも比較的取り組みやすい部類です。材料費だけで済むため費用を大幅に抑えられるのが最大のメリットです。また、自分のペースで作業できるため、スケジュールの自由度が高い点も魅力といえます。
DIYのリスクと限界
一方で、DIYには見過ごせないリスクがあります。まず、床材を剥がしてみたら下地が腐食していた——というケースでは、そこから先はプロに依頼するしかなく、自分で剥がした手間が無駄になってしまいます。また、開口部や壁際の処理は精度が求められるため、仕上がりにプロとの差が出やすい箇所です。失敗して手直しや再工事を業者に依頼すると、最初からプロに頼んだ場合よりも費用がかさむ結果になりかねません。
さらに重要なのが、DIYには施工保証がつかないという点です。プロの施工業者であれば工事後の不具合に対する保証やアフターサービスが整っていますが、DIYはすべて自己責任となります。
プロに依頼すべきケース
以下のような場合はプロへの依頼をおすすめします。床のきしみや沈みがある場合(下地補修が必要な可能性)、床暖房を設置する場合、マンションで遮音規定を満たす必要がある場合、畳からフローリングへの変更など下地調整が必要な場合、広い面積を施工する場合——。いずれも専門的な知識と経験が求められる施工であり、仕上がりの品質と長期的な安心感を考えると、プロに任せることをおすすめいたします。
施工会社の選び方
どんなに良い床材を選んでも、施工の質が低ければ仕上がりや耐久性に影響が出てしまいます。信頼できる施工会社を選ぶことは、リフォームの満足度を大きく左右する大事なステップです。
相見積もりを取る
最低でも2〜3社から見積もりを取り、費用だけでなく提案内容や工事の範囲を比較しましょう。極端に安い見積もりには、必要な工程が含まれていない場合もあるため、内訳の説明をしっかり求めることが大切です。
施工実績・事例を確認する
自分の希望に近い施工事例が豊富な会社であれば、経験に基づいた的確な提案が期待できます。公式サイトの施工事例ページや口コミを確認し、対応エリアや得意分野が合っているかもチェックしましょう。
保証・アフターサービスの内容を比較する
工事完了後に万が一トラブルが発生した場合の保証内容や、アフターサービスの対応範囲は会社によって異なります。保証期間が長く、点検やメンテナンスにも対応してくれる会社は、長い目で見て安心です。質問や要望に対する対応のスピードや丁寧さも、信頼できるかを見極める大事なポイントです。
まとめ
床リフォームは、床材の種類や施工方法、予算感をあらかじめ把握しておくことで、後悔のない計画を立てやすくなります。
スペースアップでは、お客様の暮らしに合わせた床リフォームのプランをご提案しています。「まずは費用感だけ知りたい」「自分の家にはどの床材が合うか相談したい」——そんな段階からでもお気軽にお問い合わせください。
記事の監修者
リフォームアドバイザー
栗山正寛
二級建築士/二級施工管理技士
お客様のお困りごとやご要望を伺い、提案から完工までをトータルでサポート。お客様からのご依頼に合わせて、豊富な知識と経験を駆使し、安心安全快適な暮らしをご提案。商品の特性や選び方から費用の目安など、理想の暮らしをご検討する際のポイントや注意点を、わかりやすくお伝えします。
お客様のお困りごとやご要望を伺い、提案から完工までをトータルでサポート。お客様からのご依頼に合わせて、豊富な知識と経験を駆使し、安心安全快適な暮らしをご提案。商品の特性や選び方から費用の目安など、理想の暮らしをご検討する際のポイントや注意点を、わかりやすくお伝えします。
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