リフォームコラム

【部位別】収納リフォームの費用相場|価格帯別の施工例も紹介!

収納リフォームを検討していて「収納リフォームの費用はどの程度か知りたい」「収納リフォームの例を参考にしたい」と考える方は多いのではないでしょうか。

住宅には多くの収納スペースがあり、部位ごとに収納リフォームでかかる費用は異なります。収納リフォームを実施する際は、自宅でリフォーム可能な部位を探し、予算内で施工できる業者に依頼することが重要です。

今回は収納リフォームの費用相場をリフォーム部位別に解説した上で、収納リフォーム例や価格帯別の施工例を紹介します。

【部位別】収納リフォームの費用相場

収納リフォームを行った方全般のリフォーム費用としては、「30万~60万円程度」がボリュームゾーンとなっています。収納リフォームは基本的に小規模なリフォーム工事であり、住宅構造や躯体を大きく変える工事ほどには費用がかかりません。

しかし、収納リフォームとひとくちに言っても、具体的にどのようなリフォームを行うかによってかかる費用は異なります。

以下では、収納リフォームを行う主な部位を9つ挙げて、それぞれにおける収納リフォームの費用相場を解説します。

壁面収納

壁面収納のリフォームでは、棚やラックを壁に取り付けて収納スペースを増やします。広さのある壁面を使用するため収納スペースを多く確保でき、収納力の大幅向上を見込める点がメリットです。

壁面収納の費用相場は、「どのような製品を取り付けるか」によって大きく異なります。

例として、大きなサイズの壁面収納を取り付ける場合、組み立てタイプのユニット家具であれば「20万~80万円」が費用相場となるでしょう。

一方、大工さんが現場で制作する造作家具の場合、費用は「30万~50万円」が相場です。取り付ける壁面収納のサイズを大工さんと相談して調整すれば、リフォーム費用を抑えられる可能性もあります。

リフォーム工事内容リフォーム費用の相場
組み立てタイプのユニット家具20万~80万円
造作家具30万~50万円

押し入れ・床の間

和室の収納リフォームでは、押し入れ・床の間を拡大してクローゼットにすると収納スペースを確保できます。クローゼットへのリフォームにかかる費用相場は、幅約2.7m・高さ約2m・奥行き約90cmの場合で「27万~35万円」です。

また、和室そのものを洋室へとリフォームして、押し入れ・床の間も含めてウォークインクローゼットにリフォームする方法もあります。押し入れをウォークインクローゼットにするリフォームの費用相場は、広さが3畳分の場合で「30万~45万円」です。

なお、どちらの費用も解体費は含んでいません。畳や押し入れの引き戸などを処分する場合は、別途費用がかかる点に注意してください。

リフォーム工事内容リフォーム費用の相場
クローゼットのリフォーム
(幅約2.7m・高さ約2m・奥行き約90cm)
27万~35万円
押し入れからウォークインクローゼットへのリフォーム
(3畳分)
30万~45万円

ウォークインクローゼット

ウォークインクローゼットは内部に歩ける通路を設けたクローゼットで、収納力を大幅に向上できる人気の間取りです。クローゼット内には棚やハンガーパイプなどがあり、場所を取る衣類をまとめて収納できます。

既存のウォークインクローゼットを拡張リフォームする場合は、「18万~25万円」が費用相場となるでしょう。

一方、ウォークインクローゼットを新設する後付けリフォームでは「18万~80万円」が費用相場です。間取りを大きく変えたり、場合によっては増改築をしたりが必要であり、リフォームの規模が大きくなるほど費用は高くなります。

リフォーム工事内容リフォーム費用の相場
ウォークインクローゼットの拡張18万~25万円
ウォークインクローゼットの新設18万~80万円

キッチン・パントリー収納

キッチン・パントリー収納のリフォームをすると、常温保存の食品や調理道具・食器などを収納しやすくなります。子持ち世帯や大家族の方はキッチン周りの収納が不足しやすいので、キッチン・パントリー収納のリフォームを検討するとよいでしょう。

まず、キッチン収納のリフォーム費用相場は「20万~60万円」です。カップボードの取り付けであれば20万円程度で済むものの、キッチン設備そのものの取り替えを行う場合は工事費用が高くなります。

食品庫であるパントリーを新設する場合は、壁付けタイプであれば「5万~15万円」、ウォークインタイプであれば「10万~50万円」が費用相場です。ウォークインタイプのパントリーでは、パントリー内部に照明設備やコンセントの増設工事も必要となります。

リフォーム工事内容リフォーム費用の相場
キッチン収納のリフォーム20万~60万円
パントリーの新設(壁付け)5万~15万円
パントリーの新設(ウォークインタイプ)10万~50万円

洗面脱衣所

子持ち世帯や大家族の方は、洗面脱衣所の収納力を高めるリフォームも検討しましょう。

洗面脱衣所のリフォームでは、洗面台や脱衣所の収納棚拡張・追加や、洗濯機置き場上部への収納追加などの工事を行います。

洗面脱衣所の各部位におけるリフォーム費用相場は、下記の通りです。

リフォーム工事内容リフォーム費用の相場
収納機能に優れた洗面台への交換25万~60万円
脱衣所への収納追加15万~50万円
洗濯機置き場上部の収納追加4万~10万円

住宅によっては洗面脱衣所に十分な広さがないケースもあります。収納リフォームの一環として洗面脱衣所の拡張をする場合は、費用相場がより高くなる点に注意してください。

トイレ収納

トイレ収納のリフォームでは、トイレ上部への収納追加・拡張や、収納機能を備えたトイレ設備への交換を行います。

リフォーム工事ごとの費用相場は、下記の通りです。

リフォーム工事内容リフォーム費用の相場
収納機能を備えたトイレへの交換30万円~
収納付き手洗いカウンターの設置6万~20万円
収納棚の追加3万~10万円

収納機能を備えたトイレとは、トイレタンクとキャビネットが一体化していて、タンクの両脇に収納スペースがあるタイプの商品です。収納スペースには掃除用のブラシ・シートや洗剤などをしまっておけます。

また、収納付き手洗いカウンターは、手洗い器とキャビネットが一体型となっている収納です。トイレ内に既存の手洗い器がない場合は水道工事も必要となるため、費用が高くなります。

階段下収納

階段の下はデッドスペースになりやすい空間であり、収納を設けるリフォームができるケースがあります。階段下収納のリフォームは、比較的縦に長い空間を新しく作り、収納として有効活用できる点が魅力です。

階段下収納のリフォームにかかる費用相場は「15万~50万円」です。階段下の壁を壊す解体費用や、新しく壁・扉を付ける費用、内部への棚取り付け費用などが含まれています。

ただし、住宅の構造や壁の厚みによっては階段下収納を作れないケースもある点に注意してください。壁内部に配管や電気配線が通っている場合は、配管などの移動リフォーム費用もかかります。

リフォーム工事内容リフォーム費用の相場
階段下収納のリフォーム15万~50万円

床下収納

床下収納とは、住宅の床下に収納庫を設置し、上部に扉を付ける形で作る収納スペースのことです。床下はもともと空間ができているため安価に新設しやすく、デッドスペースを有効活用できるメリットがあります。

床下収納のリフォームにかかる費用相場は「5万~15万円」です。

収納庫本体の費用相場は、標準的なボックスタイプが「2万~3万円」である一方、複数の収納庫をスライド移動できるスライド式では「7万~8万円」と高くなります。

床下収納を新設する場合は床の一部を切断するため、施工不良があると床のきしみや強度不足を招くことがあります。リフォームを依頼する場合は、実績豊富な業者に依頼することが大切です。

リフォーム工事内容リフォーム費用の相場
床下収納のリフォーム5万~15万円

屋根裏収納

屋根裏の空間を利用する屋根裏収納も、住宅のデッドスペースを活用できる収納方法です。屋根裏は意外と広い空間であり、屋根裏収納のリフォームをすると大きな収納スペースを確保できます。

屋根裏収納のリフォームにかかる費用相場は、10平方メートルの広さで「50万円~」です。屋根裏の断熱工事や換気扇設置工事を行い、階段やはしごの設置も行う必要があるため、屋根裏収納リフォームの費用は高くなる傾向があります。

なお、建築基準法では屋根裏(小屋裏物置)の条件として、「屋根裏の天井高1.4m以下」「屋根裏収納の床面積が、下階の1/2未満」という規定を設けています。規定を超えると屋根裏収納ではなく部屋と見なされ、固定資産税がかかる点に注意してください。

リフォーム工事内容リフォーム費用の相場
屋根裏収納のリフォーム50万円~

マンションで行える収納リフォーム例

マンションに備え付けられている収納は、収納空間が狭かったり、そもそも収納の数自体が少なく使いにくかったりする点が特徴です。建物によっては間取りの変更が難しく、間取り変更を伴う収納リフォームができないケースもあります。

間取り変更ができないマンションの場合は、壁面収納の追加や設備交換が主な収納リフォームの手段となるでしょう。「キッチンに収納棚を追加する」「洗面台を収納機能に優れたモデルに交換する」「リビングに壁面収納を取り付ける」などが収納リフォーム例です。

もちろん間取り変更が可能なマンションであれば、より多くの収納リフォーム方法を選択できます。

また、マンションで収納リフォームを行う場合は管理規約を必ず確認してください。工事開始前にはマンションの管理組合への連絡や、近隣住民へのお知らせをするなどの配慮も必要です。

戸建て住宅で行える収納リフォーム例

戸建て住宅ではマンションに比べて、希望する収納リフォームを実現しやすくなっています。予算との兼ね合いはあるものの、日常生活で不便に感じていた場所に収納を増やしたり、使わなかった部屋・空間を収納スペースにリフォームしたりなど幅広い工事が可能です。

戸建て住宅で行える収納リフォーム例としては、「和室をウォークインクローゼットにする」「階段下や屋根裏に収納スペースを作る」などが挙げられます。キッチンに収納が足りない場合は、キッチンの一部をパントリーに作り替えるというリフォームも選べるでしょう。

【価格帯別】収納リフォームの施工例

収納リフォームの予算を決めていて、「どのような収納リフォームが行えるかを知りたい」「予算内でなるべく多くの収納を付けたい」という方も多いでしょう。

以下では収納リフォーム予算の価格帯を4つに分けて、それぞれにおける収納リフォームの施工例を紹介します。

~20万円でできる収納リフォーム

予算が20万円以内の場合は、間取りを大きく変えずに設置できる収納や、小~中サイズの収納棚の活用を検討しましょう。

階段下収納で十分な収納スペースを確保する

リフォーム工事内容リフォーム費用
階段下収納の設置15万円
リビングに吊り戸棚の設置5万円
合計20万円

階段下収納の設置により収納力を高めつつ、リビング小物を収納できる吊り戸棚を設置したリフォーム例です。

収納力を高めたい各所に収納スペースを追加する

リフォーム工事内容リフォーム費用
壁掛けタイプのパントリーの設置8万円
脱衣所に床下収納の追加5万円
トイレ内の収納棚追加5万円
合計18万円

小規模の収納を組み合わせれば、複数部位の収納リフォームも低予算で実現できます。

20万~30万円でできる収納リフォーム

予算が20万~30万円になると、ウォークインクローゼットの追加も検討しやすくなります。

ウォークインクローゼットを拡張しつつ、他部位にも収納を追加する

リフォーム工事内容リフォーム費用
ウォークインクローゼットの新設25万円
キッチンに床下収納の追加5万円
合計30万円

ウォークインクローゼットをメインのリフォーム工事にしつつ、キッチンにも収納を追加した組み合わせ例です。

キッチンの収納力を高める

リフォーム工事内容リフォーム費用
キッチンに床下収納の追加5万円
キッチンに吊り戸棚の追加(2か所)8万円
ウォークインタイプのパントリーの設置15万円
合計28万円

キッチンにさまざまな収納を追加することにより、大家族の生活にも対応できる収納力を確保できます。

30万~50万円でできる収納リフォーム

予算が30万~50万円の場合は、間取り変更を含むリフォームや、規模の大きい収納リフォームを検討できるようになるでしょう。

こだわりの壁面収納を設置する

リフォーム工事内容リフォーム費用
リビングに壁面収納の設置40万円
合計40万円

生活小物や雑貨類を収納できるよう、リビングに壁面収納を設置するリフォームです。予算が十分であれば、造作家具として大工さんに制作してもらえます。

各部屋に十分な収納スペースを確保する

リフォーム工事内容リフォーム費用
収納機能に優れた洗面台への交換30万円
収納付き手洗いカウンターの設置10万円
壁掛けタイプのパントリーの設置10万円
合計50万円

収納力が必要な洗面脱衣所・トイレ・キッチンに、それぞれ収納スペースを設置する組み合わせです。

50万円~でできる収納リフォーム

規模の大きいリフォームを1か所以上で行う場合、最低でも50万円以上の予算が必要になるでしょう。
2つの例を紹介します。

水回りを対象に収納スペースを追加する

リフォーム工事内容リフォーム費用
収納機能を備えたトイレへの交換30万円
脱衣所への収納追加20万円
洗濯機置き場上部の収納追加10万円
合計60万円

水回りは空間が狭いことが多く、収納リフォームにかかる費用は高額になる傾向があります。予算が十分にあれば、水回りの収納リフォームをまとめて行うことも可能です。

ウォークインクローゼットや屋根裏収納により収納力を大きく高める

リフォーム工事内容リフォーム費用
ウォークインクローゼットの新設30万円
ウォークインタイプのパントリーの設置20万円
屋根裏収納の新設55万円
合計105万円

100万円程度を予算として想定した組み合わせ例です。ウォークインタイプの収納や屋根裏収納は収納力が高く、住まいの収納不足を一挙に解決できます。

まとめ

収納リフォームの費用相場は、一般的に「30万~60万円」です。

実際のリフォーム費用は、リフォームする部位や収納のサイズ・組み合わせによって変わります。紹介した部位別の費用相場を参考に、予算内で行える収納リフォームを考えてみましょう。

収納リフォームの中にはマンション・戸建て住宅の違いにより、できる工事内容・できない工事内容もあります。収納リフォームを検討している方は、リフォーム業者に予算を伝えて見積もりを取ることがおすすめです。