一般的なサイディングやモルタルの外壁の場合、定期的に塗装などのメンテナンスが必要です。外壁リフォームには100万円単位でお金が必要となってくるので、なるべく美しく長持ちさせたいですよね。
美しさや耐久性は塗料のグレードによってももちろんで違ってきますが、実は同じ塗料を使っても仕上がりがまったく違ってくることがあります。この違いを生む1つの要素が、塗料の使い方や施工方法です。
今回は外壁リフォームの質を高めるための、正しい施工方法について考えてみましょう。
外壁リフォームの考え方は「薬の服用」に似ている!
体調が悪くて、病院へ行って薬をもらうときのことを思い出してみてください。
しっかりと医師に診察してもらい、病気や症状に合わせた薬を処方してもらいますよね。さらにご自身の体格や体重で、服用する薬の量も変わってくるかと思います。
外壁リフォームも、この「薬の用法・用量を守って服用する」という考え方と似ている部分があります。施工方法(薬の用法)や、塗料の量(薬の用量)を守らなければ、工事の品質を保つことができないのです。
薬の服用 | 外壁リフォーム |
問診票を記入 現在の自覚症状や経過などを記入。 過去の病歴、アレルギー、身長体重なども。 | ヒアリング 築年数や塗装歴、建物の図面、前回の 塗装で問題がなかったかなど確認。 | 医師の診察 患者に症状について質問。体に触れたり目で見たりして調べる。体格や体重から、薬の用量を決める。 | 現場調査 外壁の劣化症状を確認し、必要な工事内容を決める。施工箇所を採寸して、塗料の量を決める。 |
処方箋を出す 病気の治療に必要な薬の種類、量、服用方法を決める。 | 塗料の提案 劣化症状や外壁、お客様の好みに合わせた塗料の種類、量、塗り方を提案する。 |
薬の処方・服用 薬剤師が処方箋の内容を確認し、適切な薬の種類・量を調剤する。患者は用法・用量を守って服用する。 | 適正価格で施工 塗料を薄めたり、塗る回数を減らしたりせず、適正価格で工事を行う。 |
薬を服用するときには、患者さんの年齢や体重、病態や他に飲んでいる薬の種類など、さまざまな条件を考慮して、薬の種類や量、飲み方が決められます。
薬の用法用量を守って飲むことで、熱が下がったり痛みが取れたりと、期待する効果が得られます。あまりお金がないから……と言って、薬を半量だけ飲んでもあまり意味がありませんよね。
外壁リフォームも同じように、壁の面積や素材、劣化の状態に合わせて、塗料の種類や量を決めていきます。
もし業者の見積もりが安すぎる場合は、塗料を薄めたり回数を減らしたりしている可能性も。塗装メーカーが決めた用法用量を守らないと、仕上がりが美しくなかったり、数年で塗料が剥がれてしまったりすることもあるのです。
外壁リフォームの正しい施工手順と注意点
外壁リフォームでは、ていねいな現場調査で適切な塗料を選ぶこと、正しく施工することが欠かせません。1つずつ手順を詳しく見ていきましょう。
1.ヒアリング
お家の図面を見せていただいたり、過去のリフォーム歴を伺ったりすることで、現場調査や塗料選択に役立ちます。
前回の塗装で使った塗料の種類や劣化状態も、塗料を決めるためにとても参考になります。
もし「すぐに塗料が剥がれてきた」「鉄部が錆びてしまった」などトラブルがあれば、今回の塗装では別の塗料を使ったり、対処方法を考えたりしなければなりません。
2.現場調査
外壁をはじめとするリフォーム工事に欠かせないのが、現場調査です。1~2時間かけて、お家の状態を詳しく見ていきます。
劣化状況を確認するのはもちろんのこと、施工箇所の採寸も非常に大切です。雑に採寸を行うと、使用する塗料の量が合わないトラブルが起きる可能性があるからです。外壁や窓、付帯部の大きさをきっちり測り、正しく施工面積を割り出していきます。
3.塗料の提案
4.適正価格で施工
外壁塗装の値段は、塗料の材料代に、足場代や職人さんの人件費などを加えて算出されます。
材料費が安すぎる=塗料を薄める、塗装の回数を減らす人件費が安すぎる=無理な工期の短縮、職人さんの技術力が低い安くしたいからと言って、無理な工期短縮で雑に塗装したり、塗料を薄めて使ったりしては本末転倒。
本来なら10年くらいもつような塗料でも、用法用量を守って使わないと、たった数年で劣化して再塗装が必要になるかもしれません。1回あたりの塗装は安く済んでも、長い目で見て損してしまうことになります。
スペースアップでは、安売りすることなく、適正価格での正しい施工を大切にしております。
まとめ
いくら塗料の質が良くても、お客様の希望やお家の条件に合っていなかったり、使用する塗料の量が適切でなかったりすると、外装リフォームは品質良く仕上がりません。
外装リフォームはなかなか一般の方だと「正しい施工手順か」というのが判断しづらいのですが、安心して工事に臨んでいただくためには、しっかりした現場調査や打ち合わせが大切です。何か分からないことや心配な点があれば、その都度担当者にお伝えください。
スペースアップでは、リフォームアドバイザーと職人が連携して、ご要望に沿ったリフォームができるよう尽力して参ります。基本的にご契約前の現場調査や見積もりは無料で行いますので、お気軽にご相談ください。
記事の監修者
設計士
西村佳晃
一級建築士 / 一般耐震技術認定者 / 宅地建物取引士
建物の構造に関する判断を行い、 地震に強く、安心して住める『強い家』を設計。プランナーの提案する図面を建築基準法に基づいた設計基準に照らし合わせ、 必要な補強を行い、採光などバランスの一番良い設計図面として仕上げます。
建物の構造に関する判断を行い、 地震に強く、安心して住める『強い家』を設計。プランナーの提案する図面を建築基準法に基づいた設計基準に照らし合わせ、 必要な補強を行い、採光などバランスの一番良い設計図面として仕上げます。