リフォームコラム

リフォーム期間の目安を徹底解説!工期が延びる要因と早めるポイントも

リフォームをするにあたり、多くの方にとって気になるのが“リフォーム期間”ではないでしょうか。すでに住んでいる住宅をリフォームするケースでは、いつまでもリフォーム期間を設けられません。中には引っ越しのリミットが迫っている方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回は範囲別にリフォーム期間の目安を紹介します。さらにリフォーム期間が延びる要因や、短くするためのポイントもあわせて解説しますので、ぜひ最後まで目を通してリフォームにお役立てください。

【範囲別】リフォーム期間の目安

リフォームをする前に、完了までにどれくらいの期間が必要か把握することが大切です。工期の見通しが立っていないと、どれくらいの工事箇所が使用不可になるのか分からず、生活が不便になるでしょう。
ここでは、主なリフォームの工期を紹介します。

フルリフォーム

フルリフォームとは、構造の骨組みだけを残して、間取りや配管・配線の位置なども丸ごと変えてしまう方法のこと。スケルトンリフォームともいいます。
延床面積100㎡(約30坪)の住宅の場合、フルリフォームの工期は約1カ月~3カ月と言われています。

ただし、実際に解体してみないと分からない部分もあり、建物の状態によってはさらに工期が長引く可能性もあります。
打ち合わせや設計などの期間も含めるとプラス2カ月~3カ月は必要でしょう。

リビングのリフォーム

リビングのリフォームに必要な工期は、リビングの広さや工事内容によって異なります。
(※ここでのリビングは16畳と仮定します)下記すべての工事を行うとなると、1カ月程度は必要でしょう。場合によっては仮住まいを検討してもいいかもしれません。

工事内容工期目安
床の張替2~4日
クロスの張替1~2日
床暖房追加1~4日
壁の撤去2日

さらに窓の位置や配線の位置を変更したり、収納リフォームを組み合わせたりすることで工期が延びます。

キッチンのリフォーム

キッチンリフォームの工期は、小規模と大規模に分けてご説明いたします。

小規模

小規模なキッチンリフォームには約1週間~10日必要です。ここでいう小規模なリフォームとは、キッチンの設備や床材を張り替える工事のみで、間取り変更などは行わない内容を言います。では具体的な内訳をみていきましょう。

工事内容工期目安
キッチンの撤去1日
新しいキッチンの設置2日
床材張替、配管工事3日

大規模

大規模なキッチンリフォームは、キッチンの種類を変更したりするだけでなく、間取り変更を伴ったりする大掛かりな工事になるので約2週間~1カ月必要です。

工事内容工期目安
キッチンの間取り変更2~3週間
壁の撤去・新設4日
壁材・床材張替5~7日

こちらの内訳はあくまでも最短の日数です。造作キッチンにしたり、断熱リフォームも同時に行ったりする場合、さらに日数が必要となります。
詳しい日数が知りたい場合は、リフォーム会社に問い合わせると確実です。

浴室のリフォーム

小規模

浴室の小規模なリフォームとは、浴槽だけを交換したり、既存のユニットバスを新しいユニットバスに交換したりする工事内容を指します。ベースがユニットバスの場合、リフォームは比較的容易なので約1週間の工期で完了することが多いようです。

工事内容工期目安
浴槽の交換1日
ユニットバスの入れ替え4日

大規模

一方、昔ながらのタイル張りの浴室をユニットバスにリフォームする場合、大規模な工事となります。ユニットバスを設置するためにコンクリートの土台を削ったり、電気・配管の工事などが必要となったりするので、最長で10日程度見ておくといいでしょう。この間お風呂が全く使えないので、入浴する場所を確保する必要があります。

工事内容工期目安
タイル張り浴室からユニットバスへの変更4~7日

洗面所のリフォーム

小規模

洗面所の小規模なリフォームとは、洗面化粧台を取り替える工事のこと。半日~1日あれば交換が可能です。

工事内容工期目安
洗面化粧台の交換半日~1日

大規模

内装や洗面台の位置を変更したりするリフォームは大規模な工事となります。洗面所の広さにもよりますが、4日あれば可能です。

工事内容工期目安
洗面化粧台の交換+内装工事1~4日

トイレのリフォーム

小規模

トイレの小規模なリフォームの内容は、便座の交換や内装の交換など。和式から洋式トイレへ交換するリフォームが最も時間を要します。温水洗浄暖房便座を設置する場合は、コンセント設置のための電気工事が必要です。床の段差をなくしたりする内装工事が必要になると、さらに工期が延びます。

工事内容工期目安
トイレ本体の交換半日~1日
壁材・床材張替1日~2日
和式から洋式トイレへ交換2~3日

大規模

便器の位置を移動させる大規模な工事になると、配管の移動や内装工事が必要となり、大規模な工事に。トイレが1箇所しかない場合、仮設トイレを設置してもらうか、仮住まいも検討するといいでしょう。

工事内容工期目安
配管・内装工事を伴うトイレ交換3~5日

建具のリフォーム

建具とは、ドアや窓のことです。リフォームをする箇所によって工期が異なります。
ドアを枠ごと交換する場合、既存のドアと枠を取り外し、ドアの種類によってはスイッチやコンセントの位置も移動させなければなりません。補修工事も必要となるので、3~7日ほど見ておくといいでしょう。
窓の交換は内窓の設置だけであれば数時間で済みますが、外壁の補修まで必要になると2日程度必要となります。

工事内容工期目安
ドアの交換(枠ごと交換)1箇所3~7日
窓の交換1箇所半日~2日

収納のリフォーム

収納をリフォームする場合、場所によって工期が異なります。短ければ1日、長くても7日程度でできるため、仮住まいは必要なさそうです。

工事内容工期目安
床下収納新設1~2日
玄関収納1~2日
パントリー新設2~5日
壁面収納新設1~7日
ウォークインクローゼット新設3~7日
押入れをクローゼットに変更3~7日

外構・エクステリアのリフォーム

外構やエクステリアのリフォームにかかる期間は、広さや工事内容によって異なります。さらに外での工事となるので天候に左右されやすく、コンクリートの養生が必要な工事は目安の工期よりさらに延びるでしょう。

工事内容工期目安
ウッドデッキの新設1日
植栽・芝張り(50㎡まで)1日
カーポートの新設1~3日
フェンスの設置2~3日
コンクリート土間1~4日(養生期間別)
車庫・ガレージの新設1~3カ月

外壁・屋根のリフォーム

2階建て(1階あたり約30坪)戸建ての外壁と屋根をリフォームする場合、1週間程度必要です。天候によって工期が左右されるため、余裕を持った工期を設定することをおすすめします。

工事内容工期目安
外壁・屋根の塗装1~4週間
外壁・屋根の交換1~4週間
屋根のカバー工法3~10日

リフォーム期間が延びる4つの要因

先ほど紹介したリフォーム期間は、ひとつの目安です。リフォーム期間はいろいろな要因によって延びる可能性があります。しかし生活に絡むことですので、いつまでも工期の延長を容認するわけにはいきません。
ここでは、リフォーム期間が延びる主な要因4つについて解説します。

構造体の劣化

構造体が腐食やシロアリ被害により劣化していると、補強のための調査や工事が入るので工期が延びてしまいます。建物によっては耐震補強工事が必要な場合もあり、さらなる工期延長の原因に。

構造体の劣化は見積もり時点で判断することが難しいため、実際に住んでいる中で気になる点があれば業者に伝えておきましょう。万が一を想定したリフォーム期間を提示してくれるため、工期が延長されにくくなります。

中古の戸建てを購入する場合は、プロに建物診断を依頼するのもいいでしょう。

繁忙期・長期休暇シーズン

リフォーム業界の繁忙期は2~4月と9~11月と言われています。理由はさまざまですが、2~4月は新年度に向けて需要が高まり、9~11月は年末までにリフォームを完了させたいと希望する人が増えるのが要因のひとつだそうです。
またゴールデンウイーク、お盆、正月などの長期休暇も依頼が増える時期です。職人も休みを取ることが多いので需要と供給のバランスが取れず、工期が延びやすくなります。

工事可能時間の規定・制限

地域によって工事可能な時間帯や日にちが定められています。騒音規制法・振動規制法により騒音や振動が発生する工事は1号区域で7時~19時、2号区域で6時~22時までの間に作業しなければなりません。

さらに1日の作業時間が10時間以内もしくは14時間以内であったり、日曜日や休日には作業ができなかったりするなど、さまざまな制限があります。

また上記の公的な制限以外にも、近隣住民からクレームが入り、着工後に工事可能時間帯が設けられる可能性も。前もって管理組合や自治会に確認することで防げる可能性もあるので、忘れずにリフォーム会社と相談して確認を行いましょう。

住みながらのリフォーム

住みながらリフォームをすることも、工期延長の要因のひとつです。住民がいる環境で工事を進めるには、住んでいる部屋を後回しにして別の箇所から取り掛からなければなりません。本来であれば一気に解体し作業を進められるところを、分割して進めるとなると、作業効率が落ちてしまいます。

さらに粉塵や騒音などにも配慮しなければならず、いつもより丁寧で細やかな作業が求められます。本来の工程よりも工数が増え、工期延長だけでなく工賃も増える可能性が高くなるため注意しましょう。

リフォーム期間をできる限り短くするためのポイント4つ

リフォームはなるべく早く終わらせたいところ。ここではできる限り工期を短くするために覚えておきたいポイントを4つ紹介します。

規約・搬入経路を確認しておく

特にマンションの場合、細かく規約が定められています。規約違反をすると工期延長や中断の原因になりかねないため、あらかじめ管理組合に問い合わせて規約を確認しましょう。工事の内容はお施主様では分からないことも多いと思いますので、リフォーム会社に入ってもらうことをおすすめします。

また資材を搬入する際に、通路や階段を通れないと別の搬入方法を検討しなくてはなりません。スムーズな搬入も工期内に収めるには必要な要因です。必ず搬入経路も確認してもらうよう、リフォーム会社に依頼しましょう。マンションの場合、エレベーターに資材が乗らない可能性もあるので、よく確認することをおすすめします。

近隣住民に事前挨拶をしておく

近隣住民から工事に関するクレームが入ると、工期延長の原因になりかねません。あらかじめ近隣住民に挨拶まわりをしておくといいでしょう。口頭で説明するだけでなく「工期、工事時間帯、工事に関する連絡先」などを記載した書類を手渡すと親切です。

お施主様ご自身が挨拶に行くこともありますが、リフォーム会社が挨拶に回ってくれるケースが多いです。懸念事項などを近隣住民に伝えてもらうよう、打ち合わせを行うといいでしょう。

繁忙期・長期休暇・台風シーズンは避ける

先ほども触れたように、繁忙期や長期休暇は職人の手が足りず、工期が延長しやすくなります。また台風シーズンも工事がストップすることが多いので、避けた方が無難です。

そうなると「ほぼ適切な時期がないのでは?」と疑問に思うかもしれません。リフォーム会社によっては、一般的な繁忙期中でもゆとりがある時期があるかもしれないので、問い合わせてみるといいでしょう。

万一繫忙期にしか依頼できない場合は、工期が多少延長することを見越してプランニングすると、気持ちにゆとりが生まれます。さらに早めにリフォーム会社を検討するなど、余裕を持った行動をとることで、希望の工期内に工事が完了する可能性が高くなるでしょう。

仮住まいをする

住みながらのリフォームは工期延長の原因となるので、仮住まいをしたほうがいいでしょう。フルリフォームはもちろんのこと、LDKなど広い部分をリフォームする場合は、数日でも思い切って仮住まいをしたほうが楽かもしれません。

仮住まいの候補としては「ホテル」「ウィークリー(マンスリー)マンション」「賃貸物件」などがあります。ただし数カ月単位という短い期間で賃貸契約ができる物件は限られているため、短い工事であればホテル、大掛かりな工事であればウィークリーマンションやマンスリーマンションを契約するといいでしょう。

まとめ

リフォームの期間を把握することで、希望の完成時期から逆算して考えることができます。そして希望の時期にリフォームを完了させるには、工期延長の原因となる要因と、工期を短くするためのポイントを覚えておくといいでしょう。

「我が家のリフォームはどれくらいの期間が必要?」もっと詳しく知りたいと思った方は、ぜひスペースアップへご相談ください。お客様のリフォームの希望を詳しくお伺いし、具体的なリフォーム期間をご提示させていただきます。

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記事の監修者

設計士

西村佳晃

一級建築士 / 一般耐震技術認定者 / 宅地建物取引士

建物の構造に関する判断を行い、 地震に強く、安心して住める『強い家』を設計。プランナーの提案する図面を建築基準法に基づいた設計基準に照らし合わせ、 必要な補強を行い、採光などバランスの一番良い設計図面として仕上げます。

建物の構造に関する判断を行い、 地震に強く、安心して住める『強い家』を設計。プランナーの提案する図面を建築基準法に基づいた設計基準に照らし合わせ、 必要な補強を行い、採光などバランスの一番良い設計図面として仕上げます。