リフォームコラム

玄関ポーチのリフォームにかかる費用相場は?おすすめのタイミングも

玄関ポーチは、玄関から出てすぐの庇(ひさし)がついたスペースです。玄関ポーチは家の印象を左右する部分であり、雨風が玄関に直接吹き込んだり、直射日光が屋内の温度を上昇させないよう守ったりする役割もあります。しかし、そのデザインや機能性は時間とともに古くなるため、適切な時期のリフォームが必要です。

今回は、玄関ポーチのリフォームに必要な費用の相場と、リフォームを行うのに適したタイミングやコストを抑える方法を解説します。適正な価格で理想のポーチを実現するための参考にしてください。

【種類別】玄関ポーチのリフォーム費用相場

玄関ポーチのリフォームと一言で言っても、施工内容によって必要な費用は大きく異なります。とは言え、玄関ポーチは基本的に狭く、かつ高額な設備を必要としないため、リフォーム費用は20万円以内で収まるケースが多くなっています。

玄関ポーチの劣化具合によって、タイルの張り替えから手すりの設置、さらには庇の取り替えに至るまで、さまざまな改修が考えられます。ここからは、各項目ごとの費用相場について詳しく解説します。

タイルの張り替え

玄関ポーチのタイル張り替えは、タイルの破損や浮きの補修、デザイン性の向上を図る場合に行われるリフォームです。既存のタイルを剥がし、新しいタイルに張り替えることで、玄関の雰囲気を一新できます。

一般的には、3~5平方メートルにつき、「5万~10万円程度」が費用相場です。ただし、タイルの質やデザイン、施工面積によっても価格は変動します。新しいタイルを選ぶ際は、すべりにくく汚れがつきにくい素材を選び、玄関全体の雰囲気に合わせることがポイントです。

タイルのカット

タイルのカットは、主に玄関ポーチのスペース調整や自動車の動線確保のための工事です。単純なタイル張り替えとは異なり、同時に玄関アプローチも削るため、下地の種類によって費用は大きく変動します。また、側面の仕上げによっても価格に差が出ます。

たとえば、下地がモルタルのタイル3枚分を斜めに切って、側面もモルタルで仕上げる場合、費用は「2万5,000~3万円程度」が相場です。下地がコンクリートで側面をタイル貼りにするのであれば、10万円を超えるケースも珍しくありません。

手すりの設置

段差や階段がある玄関ポーチには、転倒防止や移動の際の支えとなる手すりを設置するリフォームが多く行われています。屋外で壁がないため、ポーチや階段に直接支柱を固定する必要があり、「5万~15万円」と屋内に比べてコストが高くなりがちです。

たとえば、支柱を3本設置して1.2~1.5mの手すりを取りつける場合は「10万円前後」が費用相場となります。将来のバリアフリー化も見据え、安全性向上のためにタイル張替えと併せて手すりを設置するのもおすすめです。

階段・スロープの設置

玄関ポーチに階段やスロープを設置するリフォームは、家のアクセシビリティを高める上で非常に重要です。階段の新設や交換は「10万~20万円程度」が相場ですが、段数が多ければ100万円以上かかる場合もあります。スロープの設置相場は「20万~35万円程度」です。

スロープを設置する際、車椅子やベビーカーの利用をスムーズにするには階段の3倍以上はスペースが必要となります。将来のバリアフリー化を考えるのであれば、初めから階段とスロープの両方を設計に含めると、後々の改修が容易になります。

庇(ひさし)の取り替え

玄関ポーチの庇(ひさし)は、雨風から玄関を守る重要な役割を担っています。そのため、庇が老朽化して腐食や雨漏りが発生した場合は、早期に新しいものへ取り替えるとよいでしょう。

庇の取り替えには、既製品を設置する方法とオーダー品を設置する方法があります。既製品の相場は「20万~50万円程度」、オーダー品はサイズ・デザイン・素材によって千差万別です。リフォームを行う際は、費用面だけでなく家全体の雰囲気にマッチするデザインを選ぶことが重要です。

【価格帯別】玄関ポーチのリフォーム例

項目ごとの費用相場を把握したところで、今組める予算であればどのような工事ができるか知りたい方もいるでしょう。業者や資材によっても多少変動しますが、一般的に依頼が可能な工事の範囲を知っておくと、適正価格かを見極めやすくなります。

以下では、玄関ポーチのリフォーム例を3つの価格帯別に紹介します。

~20万円以内でできる玄関ポーチリフォーム

予算10万円までの価格帯では、主に玄関ポーチのタイル部分のリフォームが可能です。古くなったタイルを、新しく清掃がしやすいデザイン性の高い素材に更新することで、ポーチの見た目を一新できます。汚れが目立つだけであれば、洗浄のみでもよいでしょう。

予算10万~20万円程度なら、手すりの設置や高低差の少ない階段・スロープの追加が可能です。手すりを新設すれば日常の移動が楽になり、スロープを設ければ車椅子やベビーカーでもスムーズに出入りができます。特に高齢や小さな子どもの家族がいる家庭では、安全で使いやすい玄関への改修が急がれるところです。

20万~50万円でできる玄関ポーチリフォーム

予算が20万~50万円程度あれば、風雨の影響を最も受けやすい庇を、デザイン性と機能性に優れた新しいものに取り替えられます。オーダー品だと予算をオーバーする可能性がありますが、手ごろな値段の既製品であれば十分です。

また、階段をスロープにリフォームすると同時に手すりをつけられる価格帯でもあります。雨風が玄関へ吹き込むのが気になる場合は、風除室を設けてもよいでしょう。タイル交換と併せて門扉・門柱のリノベーションも可能です。

50万円以上でできる玄関ポーチリフォーム

50万円以上の予算を用意できる場合、玄関ポーチの大幅な改善と拡張が可能です。たとえば、高品質の素材を使用し、デザイン性にこだわりつつも機能性を兼ね備えた新しい庇を設置できます。

庇の取り替えに加え、エクステリア全体をリフレッシュしてもよいでしょう。夜間でも安全に移動できるよう照明の追加や、ドア・ポストとのデザイン統一も可能です。さらに、床のタイルを滑りにくいものに交換することで、より使いやすい玄関ポーチに生まれ変わります。

また、高齢の家族がいる場合には、階段のスロープ化を含むバリアフリー化をまとめて施工するのもおすすめです。

玄関ポーチのリフォームに適したタイミングは?

玄関ポーチのリフォームを検討する最適なタイミングは、日々の利用状況や使用された素材によっても異なります。ただ、費用をケチって先延ばしにすると損傷や腐食が進んでしまい、想定よりも高額な出費となるケースが少なくありません。

基本的には建物の経年劣化が見えたときや使用者のニーズが変化したタイミングが、リフォームを考える時期と言えるでしょう。以下では、玄関ポーチのリフォームにおすすめのタイミングを4つ紹介します。

建築から10~20年程度が経過しているとき

建築から10年以上経過しているなら、玄関ポーチのリフォームを検討する時期です。10年経過すると、多くの建材が最初の劣化を見せ始めます。

たとえば、タイルを固定する接着剤の耐用年数は10年前後です。タイル自体に目立った劣化がなくても、接着剤の力が弱まることでタイルの浮きや剥がれが生じるケースが少なくありません。

また、定期的な清掃を怠ると汚れやカビでタイルの劣化が進み、リフォームの必要性がさらに早まることもあります。

タイルが破損・摩耗しているとき

タイルが破損したり摩耗したりしている場合は、玄関ポーチのリフォームを検討しましょう。

タイルの割れや欠けは、表面だけでなく基礎構造への影響も引き起こします。割れたタイルから雨水が侵入するとポーチ全体の劣化が進むなど、見た目の美しさだけでなく安全性にも直結する由々しき問題です。

また、出入りが頻繁な玄関ポーチでは、摩擦によるタイルの消耗は避けられません。滑りにくい加工がされたタイルでも、擦り減ってしまっては機能を果たしきれず、転倒リスクが高まります。

庇が腐食・劣化しているとき

庇が腐食や劣化を見せ始めたときは、玄関ポーチのリフォームを急ぐべきタイミングです。塗料の劣化であれば塗り直しで済む場合もありますが、腐食が見られる場合は基本的に庇の全面的な交換が必要となります。

庇は家を風雨から保護する重要な部分であると同時に、長年の紫外線や雨水の影響で特に腐食しやすい箇所です。特に庇の裏側や軒天部分は塗料の劣化が進行しやすく、これを放置すると雨水が侵入して、腐食を招きかねません。木造住宅の場合、庇が腐食すると玄関の雨漏りや建物本体へのさらなる構造的な問題につながるリスクが高まります。

バリアフリーが必要となったとき

バリアフリーが必要になったときは、玄関ポーチのリフォームを本格的に考えるタイミングと言えます。

加齢や健康状態の変化により、以前は問題なかった玄関の段差が大きな障害に感じられるケースは少なくありません。高齢者や身体の不自由な方が安全に移動するためには、手すりの追加やスロープの設置が効果的です。

手すりは階段を昇り降りする際の支えとなり、転倒リスクを減らす重要な役割を果たします。また、スロープは車椅子の利用者だけでなく、ベビーカーを使う家庭にも便利です。段差の解消によって玄関の出入りがぐっと楽になるでしょう。

玄関ポーチのリフォーム費用をなるべく安く抑える方法

玄関ポーチのリフォーム費用を抑えつつ満足のいく結果を得るには、計画性が重要です。思いつきや勢いで動くと、仕上がってから後悔する場合があります。再度のリフォームで結果的にコストがかさんでしまうことのないよう、最初から適切な計画を立てなければなりません。

最後に、玄関ポーチのリフォーム費用をなるべく安く抑える・予算内に抑えるためのポイントを3つ紹介します。

リフォームで叶えたい要望の優先順位をつけておく

まずは、リフォームで叶えたい要望の優先順位を明確にしましょう。たとえば、「高級感のあるエントランスにしたい」「バリアフリーを徹底したい」「壊れている部分だけが直ればよい」など、重視するポイントは人によってさまざまです。すべてを一度に実現しようとすると、リフォーム費用はどこまでも膨らみます。

最も重要な部分から順に予算を割り当てれば、全体の費用を予算内に抑えつつ最大限の効果を得ることが可能です。改修範囲が狭い場合は、DIYを視野に入れてもよいでしょう。

建材・設備のグレードをよく検討する

建材や設備のグレード選びも慎重に行いましょう。高品質な素材や高機能の設備は魅力的ですが、予算に合わない選択は総コストを不必要に高めます。一方で、費用だけを考えて安価な素材や設備を選ぶと、リフォームの満足度が下がるケースが少なくありません。

そのため、実際に必要な機能を満たす範囲でコストパフォーマンスのよい材料を選ぶことが大切です。また、初期投資が高めでも、メンテナンスコストが低減する選択をすると最終的にはコスト削減につながります。

複数のリフォーム業者で見積もりをとる

見積もりを取る際は、必ず複数社に依頼しましょう。複数社に見積もりを依頼することを「相見積もり」と言い、業者ごとの価格差やサービスの内容をしっかりと比較できます。また、見積もり依頼の問い合わせ段階では、担当者の顧客対応力も吟味するとよいでしょう。

相見積もりの依頼は、3~5社程度が適切です。すべての業者に同じ条件を提示し、その中から最もコストパフォーマンスのよい提案を選びます。正確に比較するためにも、必ずすべての業者に同じ条件と資料を提供しなければなりません。これにより、無駄なコストを削減し、予算内で最適なリフォームを実現できます。

まとめ

玄関ポーチは毎日の生活で必ず使う場所であり、家の印象が決定づける要素の1つです。経年により劣化しやすい部分でもあるため、タイミングを見計らってリフォームを検討ましょう。玄関ポーチをリフォームすることで、住まい全体の快適性や安全性を高めるだけでなく、より居心地のよい空間を創出できます。

リフォームの際は、建材や設備のグレードを適切に選ぶことで、予算を抑えつつ理想のポーチに近づけることが可能です。また、複数のリフォーム業者から見積もりを取り、信頼できる業者を選定することもリフォーム成功の鍵となります。

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記事の監修者

リフォームアドバイザー

藤本塁

お客様のお困りごとやご要望を伺い、提案から完工までをトータルでサポート。お客様からのご依頼に合わせて、豊富な知識と経験を駆使し、安心安全快適な暮らしをご提案。商品の特性や選び方から費用の目安など、理想の暮らしをご検討する際のポイントや注意点を、わかりやすくお伝えします。

お客様のお困りごとやご要望を伺い、提案から完工までをトータルでサポート。お客様からのご依頼に合わせて、豊富な知識と経験を駆使し、安心安全快適な暮らしをご提案。商品の特性や選び方から費用の目安など、理想の暮らしをご検討する際のポイントや注意点を、わかりやすくお伝えします。