リフォームコラム

畳とは?地域差のある大きさなどの特徴や畳のメリット、張り替え費用・事例を紹介!

畳といえば、日本人にとってなじみ深い床材の1つですよね。しかし意外と畳の種類やメンテナンス方法などわからないことが多いのではないでしょうか?今回は畳の地域ごとのサイズや、張り替えのタイミングや費用など詳しく解説したいと思います。畳を活かしておしゃれなお部屋をつくったリフォーム事例もご紹介するので参考にしてくださいね。

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畳とは

畳は、日本で昔からよく使われている伝統的な床材です。
もともとは座布団やござのように敷いて使われていたのが、鎌倉~室町時代くらいから部屋全体に敷き詰めて使うようになったといわれています。
当初は貴族や武士の権力の象徴だったのが、江戸時代頃から庶民の家でも使われるようになったそうです。

ところが昭和以降、イスやベッドを使うご家庭が増えるとともに、畳ではなくフローリングが主流に。一時は「なんだか畳って古臭い」というイメージを持たれる方も少なくありませんでした。

しかし最近は洋風インテリアにもマッチする畳のデザインが選べるようになり、あらためて畳の良さに注目する人が増えています。畳とモダンなインテリアをミックスした、和モダンスタイルも非常に人気です。

畳の各部位の名前と役割

畳表(たたみおもて)

畳表とは、畳の表面のこと。い草を使ったものが大半ですが、和紙や合成樹脂の製品もあります。面積が大きく、お部屋のイメージを最も左右する部分です。

畳縁(たたみべり)

畳縁は長辺を保護する部分。昔は黒色や茶色で和風の模様が入ったものがメインでしたが、最近は無地や縁なしでモダンな印象の畳も人気です。

畳床(たたみどこ)

畳床は、土台の部分です。歩き心地・遮音性・断熱性を左右する部分で、見た目には出てこないのでお部屋の雰囲気には関係がありません。昔ながらの稲のわらを圧縮したもの、発泡ポリエチレンフォームやボードでつくられたものなどがあります。

畳のサイズは地域で異なる?種類別の寸法を紹介

畳のサイズは基本的には「長辺:短辺=1:2」の比率になっています。しかし地域によって使われているサイズはばらばらで、どの基準を使っているかによって同じ6帖の和室でも面積が変わってきます。

今回は代表的な畳のサイズである「京間・中京間・江戸間・団地間」の4種類についてご紹介します。お住まいのエリアではどのサイズが使われているのか抑えておきましょう。

京間(きょうま)

京間のサイズ:95.5cm×191cm
京間の6帖:10.9443㎡
今回ご紹介している4サイズのなかで最も大きく、歴史も古いのが京間です。その名のとおり京都をはじめとした関西地方、中国・四国地方、九州地方など西日本を中心に使われています。書院や茶室などを設計するときに使われるのも京間です。別名「本間」「関西間」、また長辺が6.3尺なので「六三間」と呼ばれることもあります。

中京間(ちゅうきょうま)

中京間のサイズ:91cm×182cm
中京間の6帖:9.9372㎡
中京間は、愛知・岐阜などの中京地区を中心使われているサイズです。その他には東北地方の一部(福島・山形・岩手)、北陸地方の一部、沖縄の一部でも使用されています。3尺×6尺なので、別名「三六間」と呼ばれることもあります。

江戸間(えどま)

江戸間のサイズ:88cm×176cm
江戸間の6帖:9.2928㎡
江戸間は、関東を中心に使用されているサイズです。東北地方の一部、北海道、三重県の一部でも使われています。別名「関東間」「田舎間」「狭間」、また長辺が5.8尺なので「五八間」とも呼ばれます。

団地間(だんちま)

団地間のサイズ:85cm×170cm
団地間の6帖:8.67㎡
4サイズのなかで最も小さく、最も新しいのが団地間です。高度経済成長期に団地が多く建築されるようになり、この団地間という基準が生まれました。アパートやマンションなど集合住宅を中心によく使われるサイズです。

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日本風土・生活に最適な畳の特徴

近年フローリングが主流になってからは、和室を設けない間取りも多いですよね。しかし畳には他の床材には見られない特徴がたくさんあって、日本の気候や暮らしと相性抜群です。ではどのようなメリットがあるのか、具体的に見ていきましょう。

断熱性と保温性

日本には四季があり、夏は暑く冬には寒くなりますよね。しかし畳を敷いたお部屋は、夏はほどよくひんやりと、冬は心地よい暖かさを感じられます。これは畳が空気を含んでいて、断熱性・保温性にすぐれているからです。畳のい草や、畳床のワラ、発泡ポリスチレンフォームが断熱材のような働きをして、夏に床下から伝わる熱気を遮断。冬は底冷え感を抑えたうえで、室内の暖かい空気を保ちます。

吸湿性と調質機能

雨が多いのに加え、湿度が高くジメジメしているのも日本の気候の特徴です。畳には調湿効果もあり、湿度が高いときには湿気を吸い、乾燥しているときには逆に湿気を放出します。まさに天然の除湿器+加湿器のような働きをするのです。湿度をコントロールできれば、快適にすごせるのはもちろん、カビやダニの抑制にもつながります。

優れた弾力性

畳には適度なクッション性があり、床に直接座ったり寝転んだりすることの多い日本の生活スタイルに相性抜群です。ハイハイからよちよち歩きの頃まで、赤ちゃんの手足にも優しく、転んでもケガをしにくいので安心。また歩き心地がやさしく、高齢の方の足腰にも負担がかかりにくいでしょう。

目に優しい自然な色

畳表に使われているい草は自然な色合いで、目にも優しいです。ベーシックな新品の畳は緑色、経年変化とともに黄味が強くなっていきます。インテリアにもなじみやすい色合いで、和風のくつろぎ空間を演出できますよ。最近は藍色やグレー、黒などカラー畳のバリエーションも豊富なので、お部屋の雰囲気に合わせて選ばれるとよいでしょう。

香りで楽しむリラックス効果

独特の香りも畳の魅力の1つ。特に新調したばかりの畳は、思わず深呼吸したくなるような癒やされる香りがします。あの香りの秘密は、い草に含まれる「フィトンチッド」という成分。森林浴でリラックスできるのもこの成分によるものだといわれています。他にも紅茶や緑茶に含まれる「ジヒドロアクチニジオリド」、バニラに含まれる「バニリン」などもい草に含まれているそうです。

吸音・遮音効果も

畳には音を吸収してくれる効果もあります。フローリングなどの固い床材に比べて、畳のお部屋の足音は下の階へ響きにくく、テレビやオーディオの音も和らげてくれます。和室へ入るとシーンとした静けさを感じることがあるかと思いますが、あれには畳も一役買っているというわけです。

畳の張り替えの種類

ここからは畳のメンテナンス方法について見ていきたいと思います。畳の張り替えは、主に裏返し・表替え・新調と3種類あります。

裏返し

新しい畳を2~5年使ったら、畳をひっくり返して、畳縁のみ新しく交換します。表面の色褪せやシミが目立ってきても、また新品のように使えます。

表替え

裏返したのちまた2~5年使ったら、表替えをします。芯となる畳床は再利用して、表面の畳表・畳縁のみを新しく交換します。新品のような見た目や香りになりますが、畳床はそのままなので踏み心地はあまり変わりません。

新調

新しい畳を10~20年くらい使ったら、畳を丸ごと新調するタイミングです。見た目、香り、踏み心地すべてが新しくなります。

畳の張り替えにかかる価格

古くなった畳を新しい畳にするのにかかる費用の目安は以下のとおりです。
・畳の裏返し:1帖あたり3,000~4,000円
・畳の表替え:1帖あたり5,000~2万円
・畳の新調:1帖あたり1万円~3.5万円

フローリングから畳に張り替える場合、リフォーム費用の目安は6帖のお部屋で15~35万円。逆に畳からフローリングへ張り替える場合、6帖で9~25万円程度です。

以上の価格はあくまでも目安で、使用する床材のグレードによっても値段は変わってきます。品質がよいい草などを使うと、値段は上がります。

畳のお手入れのタイミングと平均的な張り替えスパン

畳を新調するスパンは、平均で10~20年くらい。新しい畳を使いはじめてから2~5年くらいで裏返しをしますが、裏返しは早ければ早いほどきれいに使えます。そこからまた2~5年くらいたったら、表替えの時期です。

畳の張り替えスパンは、使い方や日当たりによっても変わってきます。次のような症状が気になってきたら、メンテナンスを検討されるとよいでしょう。
・畳が凸凹している
・畳表が擦れている、ささくれだっている、シミがある、カビ臭い
・畳表が日焼けや変色している、濃い茶色になっている
・畳と畳の間に大きな隙間があいている

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畳を活かしたリフォーム事例

では畳を活かしておしゃれに仕上げたリフォーム事例をご紹介します。畳の色やサイズ、壁や天井、間接照明の組み合わせ方など、参考にされてください。

事例1

モダンな和室にリフォームされた事例です。グレーと白の半畳畳を交互に並べて市松模様に。畳縁もないタイプでスッキリとした印象です。床の間や仏壇スペースもつくり、モダンでありながら伝統的な雰囲気もあります。

床の間には織物調のアクセントクロスを、窓には和紙のようなプリーツスクリーンを使用。プリーツスクリーンは薄いピンクと白を二枚重ねて、光の透け具合を調整できます。

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事例2

こちらのリフォームのきっかけとなったのは、お子さんの独立。ご夫婦で掘りごたつに入ってゆっくりくつろげるような和室へとリフォームされました。将来的にはお子さんのご家族がゆったりと泊まれるように、板の間部分は増築で広くしています。

増築部分の天井が下がっているのを活かして間接照明を設置。お部屋がぼんやりと照らされてリラックスできる空間になりました。下がった部分の天井に張った木目のクロスや、床の間のカーブの垂れ壁もおしゃれなアクセントとなっています。

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事例3

こちらも和モダンな和室リフォームです。畳表はシックな黒で、畳縁のない半畳タイプを敷き詰めてスッキリとした印象に。畳は一種類のみを使っていますが、縦横の向きを交互に並べることで市松模様に見えます。

天井には落ち着いた木目のクロスをチョイス。窓の大きさにあわせたニッチをつくり、お花などを飾って華やかさをプラスできるようにしました。窓から見える庭の緑も、インテリアの一部になっていますよね。冬の寒い時期にも快適にすごせるよう、窓は複層ガラスを採用しています。

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まとめ

畳を敷くと歩いたときや寝転んだときに心地よく、断熱性や調湿性があるので春夏秋冬快適にすごせます。きちんと裏返しや表替えなどのお手入れをすれば、10~20年と長持ちする床材です。くつろげるお部屋にリフォームしたい方は、畳を1つの選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

記事の監修者

リフォームプランナー

鈴木淑子

二級建築士 / インテリアコーディネーター

お客様の要望に応えるべく、プロの目線と女性の目線を掛け合わせて、様々なプランをご提案。ご要望を反映した図面や完成予想図を見ながら細かく話し合い重ね、理想を超える住まいをデザイン。間取りや動線、インテリアデザインまで、幅広く理想の暮らしを叶えるためのポイントを、わかりやすくお伝えします。

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