リフォームコラム

ユニットバスとは?メリット・デメリット、サイズ選びのコツを紹介

浴室のリフォームを検討する際に、インターネットやカタログなどでよくみられる「ユニットバス」という言葉。一体どのような浴室のことを指すのでしょうか。今回は、従来の浴室と比べたユニットバスのメリット・デメリットや、サイズを選ぶ際のコツまで合わせてご紹介いたします。

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ユニットバスとは?

ユニットバスとはあらかじめ工場で浴室に必要な床や壁などのパーツを作っておき、それを現場で組み立てるバスルームのことを指します。

昔ながらの浴室は「在来工法」と呼ばれる、タイルを現場で一枚ずつ床や壁に張り付けて作っていく工法で施工されていました。在来工法は浴室のサイズが自由で、好きな浴槽やタイルを選べるのがメリット。しかし一方で、次のようなデメリットもあります。

在来工法の浴室のデメリット

  • 施工に手間や費用がかかる
  • 風呂に入れない日数が多い
  • 気密性や防水性があまりよくない

これらのデメリットを克服したのがユニットバスです。工場で必要な材料をユニット化することによって、現場での施工時間を大幅に短縮。また施工にムラが出にくく、誰が設置しても質の高い浴室がつくれるようになりました。

ユニットバスの歴史

そんなユニットバスが日本で使われ始めたのは、1964年開催の東京オリンピックの頃です。当時、観光客が宿泊するためのホテルの建設ラッシュがおこっていて、なんとかオリンピックに間に合わせるために短期間で建設しなければならない状況でした。

そのため現場で、浴室・洗面・トイレなどの水まわり工事を行える期間はごく短期間。できるだけ現場で施工する期間を短くするために、あらかじめ工場で生産・加工をして、現場で組み合わせる方法がとられました。その結果、1000戸以上のユニットバスの施工を2か月ほどで完了したそうです。これが、ユニットバスが日本で広まった契機と言われています。

システムバスとの違い

システムバスとユニットバスの明確な違いはありません。どちらも工場で生産されたパーツを現場で組み立てるタイプの浴室を指しています。

ユニットバスといえば「浴室・洗面・トイレ」がセットになった単身者用の賃貸住宅を思い浮かべる方も多いでしょう。しかしトイレが一体化されていない浴室単体の商品でも、建築業界ではユニットバスと呼ばれます。

近年のユニットバスは、浴槽のサイズや機能を選定するなどシステム化されているため、システムバスとも呼ばれる場合もあります。しかしどのタイプがユニットバス、どのタイプがシステムバスといったはっきりとした違いはありません。

主なユニットバスの種類

ユニットバスには、「1点ユニットバス」や「2点ユニットバス」「3点ユニットバス」があります。それぞれの特徴をご紹介しましょう。

1点ユニットバス

1点ユニットバスは、浴室だけが独立していて、洗面台やトイレなどと共有していないユニットバスのことを指します。浴槽と洗い場のみで広々としているのが特徴。一戸建て住宅やファミリータイプのマンションで設置されていることが多いです。

2点ユニットバス

2点ユニットバスとは、浴室と同じ空間の中に洗面台がセットになっているタイプのユニットバスのこと。一人暮らし向けのマンションやアパートなどで使われる場合が多いです。

2点ユニットバスのメリットは、浴室の利用中に、別の方がトイレを使える点です。来客が多い方や、二人暮らしの方にも使い勝手がよいでしょう。また、浴室と洗面台をまとめて水洗いしやすいという声もあります。

3点ユニットバス

3点ユニットバスは、浴室内に洗面台とトイレまでセットになっているタイプ。単身者向けの賃貸アパートや、ビジネスホテルなどによく使われています。

3点ユニットバスのメリットは、水回りトータルのコストを安く抑えられること。また、浴槽・洗面台・トイレが省スペースにまとまっていて、掃除も簡単です。

しかし浴室とトイレを同時に使えないので、来客が多い方や二人以上で住んでいる方は不便に感じることが多いでしょう。収納スペースも少ないので、トイレの掃除道具やペーパー類のストックなどの置き場所に困るかもしれません。

一般的なユニットバスのサイズ

ユニットバスには全メーカーで規格サイズが共通しており、「1216」「1616」といった4つの数字で表されます。たとえば「1216」というサイズであれば、浴室の内寸が短辺120cm×長辺160cmということです。

サイズ内寸(短辺×長辺)外寸(坪数)備考
1014100cm×140cm0.75坪マンション
1116110cm×160cm 0.75坪マンション
1216120cm×160cm 0.75坪戸建・マンション
1317130cm×170cm 0.75坪 戸建・マンション
1418140cm×180cm 0.75坪マンション
1616160cm×160cm1坪 戸建・マンション
1717165cm×165cm1坪 戸建・マンション
1618160cm×180cm1.25坪メーターモジュール
1818180cm×180cm1.25坪 メーターモジュール
1620160cm×200cm1.25坪 戸建・マンション
1624160cm×240cm1.5坪 戸建

他にもメーカーによっては、1220サイズや1621サイズなどがある場合もあります。新築住宅では1616や1717などの1坪サイズを選ばれるケースが多いです。

リフォームでは既存の浴室に近いサイズを選ぶのが基本。増築やレイアウトの変更等でサイズを広げられることもあります。「もう少し足をのばして入浴したい」「子どもたちと一緒に入れる広い浴槽にしたい」などの希望がある場合は、リフォーム業者に相談しましょう。

浴槽や洗い場は10cm広くなるだけでも使い勝手が大きく変わります。サイズ感が分かりにくければ、メーカーのショールームで実際の浴室を体感されるのもおすすめです。

ユニットバスのメリット

在来工法と比べたときのユニットバスのメリットは以下の通りです。

掃除しやすい

昔ながらのタイルの浴室に比べて目地が少ないので、ユニットバスにするとお手入れがぐんと楽に。壁は継ぎ目の少ないパネルで、床から浴槽まで一体型になっており、さっと掃除ができます。

また水はけも良いので、換気扇をしっかり回すと翌朝にはカラッと乾きます。カビの増殖も防げて、清潔に保ちやすいです。

最近のユニットバスは、汚れが気になる排水溝もシンプルな構造に。以前に比べると格段にお手入れがしやすくなっているのもうれしいですね。

気密性が高い

在来工法の重大な問題点として、水漏れリスクの高さが挙げられます。経年とともに劣化した目地の隙間やタイルのひび割れから、水がジワジワと漏れてしまうことも。床下や壁の裏が腐食してしまうケースもあるため注意が必要です。

一方、ユニットバスは壁や床、天井、浴槽などが一体化された構造。非常に気密性が高く、在来工法に比べて水漏れのリスクがぐんと抑えられます。職人の腕によるバラつきも少なく、誰が施工しても高い気密性を確保でき安心です。”

断熱性が高い

ユニットバスは、部屋の中に浴室のユニットが入る二重構造になります。壁や天井、床や浴槽のまわりにも断熱材が入っていて、冬場でもヒヤッとしにくく過ごしやすいでしょう。

また最近は浴槽も魔法瓶のように断熱性が高くなっています。お湯も冷えにくいので、家族の入浴時間がバラバラでも追い炊きをする回数が少なくなり、光熱費の削減にもつながるでしょう。

さらに浴室暖房乾燥機付きのユニットバスなら、冬場はあらかじめ浴室を暖めてから入浴することが可能に。ヒートショックの危険も減るため、お子さんや高齢の方がいるご家庭にもおすすめです。”

最新機能で快適な入浴が叶う

ユニットバスは、保温性の高い「断熱浴槽」や、自動で浴槽を洗える「お掃除浴槽」などさまざまな機能をつけられるのもメリット。節水しながらたっぷりとした浴び心地を感じられるシャワーや、エステのようにマイクロバブルで肌の汚れを浮かせるシャワーなどもあります。

さらに入浴のリラクゼーション効果を高めたい方には、浴槽の首もとからお湯が流れてきて上半身を温める「肩湯」や、腰まわりを水流でほぐす「腰湯」などの機能もおすすめ。筋肉をやわらかくほぐしたり、全身がリラックスできたりと、家にいながらスパのような贅沢な時間を楽しめます。

照明計画にこだわったユニットバスなら、ワンランク上のくつろぎ空間を演出。朝は爽やかな白色の明かり、夜はくつろげるオレンジ色の明かり…といったように気分に合わせて雰囲気を変えられる、調光機能がついたモデルもあります。

ユニットバスのデメリット

反対に、在来工法と比べたときのユニットバスのデメリットについても抑えておきましょう。

形状によっては設置できない

ユニットバスは形状・サイズが限定されているので、希望の寸法によっては対応できない場合があります。たとえば「洗い場に対して浴槽を大きくしたい」「台形の浴室にしたい」などの希望があっても、規格から外れるサイズの場合は設置できません。

また在来工法からユニットバスへ変更する際は、サイズがぴったりと合わないことも。ユニットバスの裏にデッドスペースができてしまうと、そのぶん浴室スペースが狭くなってしまいます。

ただし最近は2.5cm刻みなど、細かいサイズオーダーができる商品も。定形外の浴室や、柱や梁のある浴室をリフォームされる場合は、そういった商品を選ぶことで柔軟に対応できます。

通気性がよくない

ユニットバスは気密性や断熱性が高く、冬場も暖かく快適な浴室になるとお伝えしました。しかしその反面、通気性が悪く、湿気がこもりやすいというデメリットもあります。

入浴後は水滴がついたまま放っておくと、カビや悪臭の原因に。換気扇は常時回して、湿気がこもらないようにしましょう。

換気扇をつけっぱなしにすると電気代が気になる方もいらっしゃるかもしれませんが、浴室の換気扇の消費電力は微々たるもの。1ヶ月つけっぱなしにしておいても、数百円程度で済むのでご安心ください。

特殊なパーツには対応していない

ユニットバスでは規格外のパーツには対応していません。そのため、在来工法と比較すると自由度は低くなります。

たとえば桧の浴槽や猫足のバスタブなど、特殊なパーツは叶えられなかったり、費用がかさんでしまったりすることもあるでしょう。メーカーによってはオーダーでさまざまな要望を叶えられる商品もあるので、リフォーム業者に相談してみてください。

ユニットバスへのリフォームは可能?

在来工法の浴室をリフォームでユニットバスへ変更することもできます。しかし、いくつか注意点もあるので抑えておきましょう。

今より狭くなる可能性がある

既存の浴室のサイズによっては、ユニットバス内が多少狭くなることもあります。なるべくぴったり収まるサイズのユニットバスを選びましょう。

内部が腐食しているとコストアップ

既存の浴室を解体したとき、床下や壁内が腐食しているケースもあります。ユニットバスを入れる前に下地の補修やシロアリ対策が必要になるので、予算には余裕を持っておきましょう。

浴室のサイズ感や内部の腐食は、ご自身で確認するのが難しいです。リフォーム業者に今の浴室を確認してもらい、あなたの自宅にあったリフォーム方法を提案してもらいましょう。

まとめ

ユニットバスは在来工法の浴室に比べてポカポカと快適。目地も少ないので汚れにくく、お掃除も簡単になります。しかしサイズ選びを注意しなければ、今の浴室より狭くなってしまうことも。窓や柱、梁などがある場合も、商品選びには注意が必要です。まずは今の自宅の状況をプロであるリフォーム業者に見てもらい、ご自宅にあった浴室を提案してもらいましょう。

記事の監修者

リフォームアドバイザー

藤本塁

お客様のお困りごとやご要望を伺い、提案から完工までをトータルでサポート。お客様からのご依頼に合わせて、豊富な知識と経験を駆使し、安心安全快適な暮らしをご提案。商品の特性や選び方から費用の目安など、理想の暮らしをご検討する際のポイントや注意点を、わかりやすくお伝えします。

お客様のお困りごとやご要望を伺い、提案から完工までをトータルでサポート。お客様からのご依頼に合わせて、豊富な知識と経験を駆使し、安心安全快適な暮らしをご提案。商品の特性や選び方から費用の目安など、理想の暮らしをご検討する際のポイントや注意点を、わかりやすくお伝えします。