リフォームコラム

古民家リノベーションの費用相場はいくら?メリットや施工事例を紹介

近年、古民家の魅力を残しつつリノベーションするケースが増えてきています。歳月を重ねた古民家には、現代の施工や材料ではなかなか再現しづらい趣があるもの。寒さや古さなど気になる部分はリノベーションで改善すると、快適でおしゃれな雰囲気のある建物に仕上げることができます。

今回は、古民家リノベーションの費用相場をはじめ、メリットや施工事例を紹介します。古民家リノベーションを検討している方は、ぜひ参考にされてください。

古民家リノベーションとは?

古民家に「築◯年以上」という明確な定義はありませんが、一般的には築50年くらいたった建物が古民家とよばれています。古民家リノベーションとは、昔ながらの風合いや構造を残しつつ、ニーズにあうデザインに施工したり住みやすい住空間につくり変えたりすることです。新築や建て替えよりもコストを抑えられることから、注目を集めています。

そして古民家の特徴の一つが、今ではなかなか手に入りにくい立派な梁や柱が使われていること。古民家を取り壊さずリノベーションすることで、それらの貴重な資材を残すこともできます。

しかし築年数が古い分、耐震性能や断熱性能が低かったり、水回りの使い勝手が悪かったりと、現代人が住むには不便に感じるところも多々あります。そこで住む人のライフスタイルにあわせて間取りや内装、設備を変更することで、不便な部分を改善。昔と今の住まいを融合させながら、流行りに左右されない独自のスタイルをつくりあげることができます。

古民家リノベーションの魅力

住まいの機能性が向上する

昔の戸建て住宅は、部屋が細かく仕切られた間取りが主流でした。しかし最近は広いLDKと寝室や子供部屋がある間取りが人気です。古民家もリノベーションで間取りを今風に変えて、キッチンやバスなどの設備も最新式のものに交換することで暮らしやすくなります。

また築年数の古い家は断熱や気密も不十分で、冬の寒さや夏の暑さが厳しいもの。リノベーションで断熱材を入れたり、高性能な窓に変更したりすることで、快適性がぐんとアップします。

また1981年以前の古民家は、旧耐震基準で建てられており耐震性にも不安があります。適切に耐震補強することで、地震への安心度も高まるでしょう。

希少性の高い部材を残せる

古民家に入って天井を見上げると、太くて立派な梁が架けられていることがよくあります。古民家の梁や柱には、今では入手できないような太いヒノキやケヤキなど希少性の高い部材が使われていることが多いです。貴重な部材を廃棄せず、手入れをしながら守っていけるのも古民家リノベーションの魅力です。

またご実家の大黒柱に子供の頃の身長が刻まれていたりと、家には家族の思い出も詰まっていることもありますよね。家族の歴史や大切な思い出を受け継ぎながら、今より心地よく暮らしたいという方にも古民家リノベーションはおすすめです。

古民家ならではのデザインを楽しめる

古い日本家屋の雰囲気を生かしながら、トレンドを取り入れられるのも古民家リノベーションの魅力です。迫力のある太い梁を大胆に露出させたり、斜めになった勾配天井を見せたりするのも古民家ならではのデザインといえるでしょう。

また日本家屋の象徴である土間や縁側をあえて残すのもおすすめです。縁側に腰を掛けてゆっくり過ごしたり、新たにランドリールームとして活用するのもよいでしょう。広い土間は子どもにとっての遊び場にもなるので、雨の日ものびのびと体を動かすことができますよ。

物件探しの幅が広がる

家を持ちたいと思ったとき、多くの方は新築住宅を建てるか、中古物件を買うかのどちらかを考えるでしょう。なかなか理想の立地や間取りの家が見つからないこともありますよね。そこで「古民家リノベーション」という選択肢を加えると、物件探しの幅がぐんと広がります。

古民家は築年数が古い分、物件価格が安め。リノベーション費用を加えても、新築より安く収まることが多いでしょう。想定より広い物件や、立地の良い物件も選択肢に加えられるかもしれません。

古民家リノベーションの費用相場

平均的なリノベーション費用は500〜2,000万円ほど。価格の幅が広いのは、建物の状態や施工内容によるばらつきが大きいからです。

たとえば、建物全体に断熱改修をしたり、大掛かりな耐震補強が必要だったりすると、リノベーション費用はかさみます。システムキッチンやシステムバスなどの設備のグレードを上げたり、多くのオプションをつけたりすれば、それなりの価格になるでしょう。逆に部分的な設備交換や内装変更のみであれば、数百万ほどで収まるケースもあります。

予算オーバーせずに満足度を上げるためには、予算にメリハリをつけるのがおすすめです。こだわりたい部分にはしっかりお金をかけて、あまり重視しなくてもよい部分はリーズナブルに抑えましょう。リノベーションは一概に「いくらかかる」とは言えないため、リフォーム会社に予算を伝えてよく相談することが大切です。

古民家リノベーションの注意点

リノベーション完了までに時間がかかる

古民家リノベーションは大掛かりな工事になることも多く、打ち合わせや施工に時間がかかることもあります。そのため「子供の入学に間に合わせたい」「親との同居のタイミングに合わせたい」など入居希望日が決まっている場合は、早めにリフォーム会社とスケジュールを相談しましょう。

古い建物の場合は、建築当時の図面が残っておらず、工事前の調査に時間がかかかってしまうことも。また工事中に見えない部分の劣化や、シロアリ被害や腐食が発見されて、追加工事によって工期が伸びてしまうケースもあります。余裕をもったスケジュールを立てておくと安心です。

耐震性能に不安がある

建築基準法が制定されたのは1950年、新耐震基準へ改正されたのは1981年です。それ以前に建てられた古民家は、現行の耐震基準をクリアしていない可能性があります。

そのためまずは耐震診断を受けて、現在の耐震性能を確認しましょう。必要に応じて耐力壁を増やしたり、柱と梁などの接合部に補強材を取り付けたり、地震の揺れを吸収する制振ダンパーを取り付けたりと、さまざまな方法で耐震性能を向上させることができます。

断熱性能の低い建物が多い

昔の住宅にはエアコンなどがなかったため「夏場の風通しのよさ」を重視したつくりになっています。しかし現代の暮らしはというと、冷暖房を上手に使いながら快適な室温に整えるのが一般的です。古民家のように断熱材が入っておらず、隙間風が吹くつくりは、現代の暮らしには適していません。

そのため古民家リノベーションでは、壁や床に断熱材を敷き詰めたり、高性能の窓に交換したりして断熱性や気密性を高める必要があります。屋外の寒さや暑さの影響を受けにくく、最小限の冷暖房で快適にすごせる住まいをつくりましょう。

手を入れるところが多いとコストが高くなる

新築や築浅の物件よりも安く購入できる古民家ですが、リノベーションの内容によってはコストが高くなる場合があります。築年数が浅い物件に比べると、断熱改修や耐震補強にお金がかかりやすいのが理由です。

古民家リノベーションを安く抑えるには、物件選びがとても大切です。構造体が腐食していたり、耐震性が著しく低かったりする物件は、補修や補強にかなりの予算がかかってしまうことがあります。

これから古民家を購入してリノベーションするという方は、物件選びからリフォーム会社にサポートしてもらうのがおすすめです。既に住んでいる古民家をリノベーションされる場合は、リフォーム会社にしっかりと予算を伝えましょう。

古民家リノベーションは補助金でお得に

リノベーションにかかる費用は、国や自治体の補助金制度を活用してお得にできる可能性があります。代表的な補助金の種類は以下の通りです。

  • 耐震補強の補助金
  • 省エネや断熱改修に関する補助金
  • バリアフリーに関する補助金
  • 自治体による古民家再生の補助金

ほとんどの補助金は予算の上限に達すると、申請期間内でも締め切られてしまいます。活用を検討している場合は、国や自治体のホームページを随時確認して計画的に手続きを行ってくださいね。

現在の補助金制度について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にされてください。

住宅リフォームの補助金対象とは?優遇制度や申請時期、注意点を解説
介護や省エネ・耐震などの住宅リフォームでは、国や各自治体が設けている補助金制度を活用すると...

古民家リノベーションの事例を紹介

【事例1】古民家のバリアフリーリノベーション

■建築タイプ:戸建て
■築年数:80年
古民家ならではの風合いのある梁や建具を活かしながら、バリアフリーを考えてリノベーションした事例です。家の中心には土間があって、各部屋に入るために約35cm以上の大きな段差を上らなければなりませんでした。そこで居室の高さにあわせて段差を解消し、足腰への負担を軽減。玄関の上がり框も2段に分割して、段差を低くしています。

天井板をなくすことで、立派な梁が見えるようになり、開放的な雰囲気も演出。暗かったリビングやキッチンには、玄関からたっぷりと光や風が入るようになりました。古い構造体や建具と馴染むように、フローリングなど新しい木材の色味を合わせたのもポイントです。

【事例2】羽目板天井と間接照明が安らげる空間

■建築タイプ:戸建て
■築年数:60年
築60年の古民家を、木の素材感たっぷりのカフェスタイルにリノベーションした事例です。元々狭かった2部屋をつなげて、開放的なリビングダイニングに。キッチンの天井を一段下げて空間にメリハリをつけたことで、広い空間でも落ち着いてすごすことができます。キッチン横には3枚扉の大容量のクローゼットをつくり、LDKをすっきりと片付けられるようになりました。
古民家ならではの素材のよさを感じられるように、内装材や家具は木材で統一。そこに革やアイアン素材をポイントで取り入れ、現代風な住まいにイメージチェンジしました。趣のあるレッドシダーの羽目板天井に間接照明を組み合わせて、空間にぬくもりと安らぎを与えているのがポイントです。

【事例3】古民家に吹き抜けを新設

■建築タイプ:戸建て
■築年数:65年
リビングの天井を撤去して、吹き抜けをつくったリノベーション事例です。以前は天井が低く、背の高いご主人が鴨居に頭をぶつけてしまいそうな不便さがありました。そこで低かった天井は思い切って抜いて吹き抜けに。2階の窓からも光が差し込む、心地よいリビングダイニングに生まれ変わりました。

天井に隠れていた立派な梁は、職人さんが磨くことで艶やかな美しい質感に。ベースカラーを白にすることで、古い柱や梁の濃いブラウンが際立ち、落ち着きのあるモダンな空間になりました。床の段差を解消したことで、広いリビングダイニングでお子様が元気に走り回ることができます。

【事例4】古民家を二世帯住宅に

■建築タイプ:戸建て
■築年数:60年
同居予定のお母様のために、専用のキッチンをつくったリノベーション事例です。2世帯で共用の玄関や階段の近くに、お母様のお部屋やキッチン、収納スペースを設置。ご家族とのコミュニケーションもとりやすい配置になっています。

お料理好きのお母様がいつまでもお料理を楽しんでいただけるように、システムキッチンはシンプルでお手入れしやすいものを導入。食器棚や調理家電の棚もコンパクトな空間にまとめて、お料理からお片付けまでスムーズに行える動線にしています。

【事例5】和モダンな梁をアクセントに

■建築タイプ:戸建て
■築年数:46年
見せ梁がおしゃれな古民家リノベーションの事例です。古民家にありがちな独立キッチン(壁で囲われた個室タイプのキッチン)は、人気の対面キッチンに変更。リビングやダイニングと空間がつながることで広く感じられ、配膳や片付けもスムーズです。

内装は落ち着いたブラウンや白でまとめて、濃い色合いの梁をアクセントに。キッチンカウンター上の梁からは、ペンダントライトを吊るしています。温もり感のある電球色は、和モダンな古民家の雰囲気にぴったりです。

まとめ

古民家の風合いを残しつつ、現代の便利な間取りや設備をミックスした古民家リノベーション。設備や建材を入れ替えたりプラスしたりすることで、古い建物でも住まいの機能性や快適性がぐんとアップします。新築では味わえない趣のある空間で暮らしたい方は、古民家リノベーションの施工実績が豊富なスペースアップにご相談ください。物件選びのサポートから、最適なリノベーションのご提案までいたします。

記事の監修者

リフォームアドバイザー

藤本塁

お客様のお困りごとやご要望を伺い、提案から完工までをトータルでサポート。お客様からのご依頼に合わせて、豊富な知識と経験を駆使し、安心安全快適な暮らしをご提案。商品の特性や選び方から費用の目安など、理想の暮らしをご検討する際のポイントや注意点を、わかりやすくお伝えします。

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