リフォームコラム
エコリフォームについて

エコリフォームとは?メリットから活用できる補助金制度まで徹底解説

今回は、エコリフォームとは何かを解説するとともに、エコリフォームをするメリットや使われる素材もご紹介します。また、活用できる補助金制度についても解説するので、エコリフォームをお考えの方はぜひ最後までチェックしてください。

エコリフォームとは?

エコリフォームとは、自然環境に配慮した、地球にやさしい住まいへとリフォームすることです。エコリフォームの種類は次の2つにわかれます。

  • 床や壁の断熱リフォームで、省エネルギーを目指すリフォーム
  • 自然素材を積極的に使って、環境負荷を減らすリフォーム

環境負荷を減らすと、環境へはもちろん、人にも、家計にもやさしい住まいになります。その理由とメリットを次章で解説します。

エコリフォームの例

・床や壁の断熱リフォームをする
・窓を複層ガラスに変える
・トイレを節水型に変える
・高断熱浴槽に変える
・壁はビニールクロスから、珪藻土やしっくいなど自然素材に変える
・プラスチック障子から、自然素材の和紙の障子にする ・床に無垢材を使う

エコリフォームによるメリット3つ

エコリフォームにより、光熱費の節約、住宅の長寿命化、シックハウス症候群対策とさまざまなメリットがあります。3つのメリットを詳しく見ていきましょう。

光熱費の節約につながる

断熱リフォームをすると、光熱費の節約にもつながります。そもそも断熱とは、外気温の影響を受けにくくすること。たとえば窓の断熱性能を高めれば、窓から出入りする熱を減らせるため、空調の効きがよくなります。
またお風呂を高断熱浴槽タイプにすれば、追い炊きに使うエネルギーも減らせ、環境と家計への負荷が減らせます。エコリフォームが環境に、そして家計にもやさしい理由です。

住宅を長持ちさせられる

エコリフォームをすると、家の断熱性能が向上し結露の発生が抑えられるため、結果として住宅の長寿命化につながります。
結露はカビやダニのもとになり、家を傷める原因となります。断熱性の低い家では、結露が窓や目には見えない壁の中でも発生してしまうのです。住宅を支える大事な躯体にまで影響することもあります。
断熱性能を高め、結露から家を守るのがエコリフォームです。エコリフォームで住宅を長持ちさせ、長く住めるようにすることで環境負荷を減らします。

シックハウス症候群を対策できる

エコリフォームはシックハウス症候群の対策になります。シックハウス症候群とは、建材や家具に使用される接着剤・塗料などの化学物質が引き起こす健康被害のこと。ホルムアルデヒドといった化学物質だけでなく、カビやダニ、ハウスダストも原因物質です。倦怠感やめまい、頭痛、湿疹、のどの痛み、呼吸器疾患などの被害報告があります。
シックハウス症候群を防ぐには、珪藻土や漆喰などの自然素材を内装仕上げ材に使うと良いでしょう。一般的に内装に使用されるビニールクロスに比べて調湿作用があり、カビやダニの抑制にもつながります。

さらにビニールクロスには抗カビ剤、安定剤、発泡剤などシックハウス症候群の原因となる有害物質が含まれています。ビニールクロスを貼る際に使う接着剤にも、ホルムアルデヒドが含まれていることもあります。自然素材にはこれらの化学物質が含まれておらず、体にやさしい家づくりができます。

エコリフォームで用いられる主な素材

天然素材といってもその種類はさまざまです。エコリフォームにはどのような素材を選べばいいのか、壁、床、窓に分けてそれぞれ見ていきましょう。

壁材

珪藻土

植物プランクトンの化石を原料とした塗り壁材です。珪藻土には調湿効果があり、お部屋に湿気が多い時は湿気を吸収し、嫌なカビを防止してくれます。塗り壁材だけでなく壁紙に加工されたものもあります。

エコカラット

「エコカラット」は、粘土鉱物などの微細な孔を持つ原料を焼成した内装壁材です。湿気を吸収し、カビ・ダニが好む高湿度を抑制します。化学物質やイヤな臭いも吸着してくれます。まさに呼吸する壁といえます。

エコクロス

天然素材が原料の壁材です。オレフィン系樹脂を主原料としたものが多く、燃焼時に有害ガスを発生しない環境にも優しい壁材です。ビニール壁紙のように水拭きが可能で表面強度が高く、キズもつきにくいのが特徴です。

漆喰(しっくい)

石灰に麻の繊維を加え、草本や海藻の接着剤、水などを加え練り上げてつくられる天然素材の壁材です。城郭の壁などに使用されています。また漆喰の特性を活かしたタイルや壁紙も開発されています。

アッシュライト

アッシュライトとは火山灰を利用した天然素材で体にやさしい壁材です。光触媒作用により、室内の菌を減菌します。また、アレルギーやシックハウスの原因と言われるホルムアルデヒドを吸収分解する作用もあります。

チャフウォール

チャフウォールとはホタテ貝殻とモミ殻を使用した天然のリサイクル内装材料です。ホルムアルデヒドなどの化学物質を吸着し低減するほか、防カビ・抗菌性・通気性に優れた性質を持つため、壁・天井材として最適です。

木質系壁紙

木材を薄くスライスしたものに紙を裏打ちした壁紙です。天然木の持つあたたかみや高級感を感じられます。主に、「銘木シート壁紙」「コルクシート壁紙」があり、比較的高価なため、壁の一部にアクセントとして使うと経済的です。

手漉き和紙

和紙は樹木の皮などを原料としているため、ビニールクロスとは異なり調湿効果、通気性、防カビ性に優れ、中には撥水加工を施しているものもあるので、日常生活における軽微な水性汚れなら、素早く拭き取る事により落とすことができます。
和紙独特の温かみのあるお部屋でくつろぎ空間にしてみませんか。

床材

無垢材

集成材とは違い、一本の木からつなぎ目のない一枚物としてつくられるものです。室内が乾燥すると水分をはきだし、湿気が多いときには水分を吸い込むといった調湿効果があります。保温性もあり、寒い時期でもひやっとしないのが特徴。使うほどに味が出てくる素材で、経年美化を楽しめます。

高温多湿の夏、低温乾燥の冬の日本の気候風土によく合います。原料となるい草は調湿効果があり、香りや肌触りが、実に心地良く安らぎを与えてくれ、時と共に変化していくい草の表情を楽しむこともできます。人工素材では決して得られない、独特の風合いこそが自然素材の魅力ではないでしょうか。

コルク

微細な細胞から成っていて細かく分割された空気層が、熱や湿気を通しにくくし、弾力性があり、音や衝撃を和らげるといった優れた機能を持っています。燃えにくく、有毒ガスを発生させません。

ペアガラス(複層ガラス)

複層ガラスとは、複数枚のガラスと空気層からなる窓です。複数のガラスをくっつけてつくるのではなく、あいだに空気層があることで断熱性能が高まる仕組みになっています。ペアガラスは、2枚のガラスと空気層からなる窓です。

トリプルガラス(複層ガラス)

3枚のガラスと空気層からなる複層ガラスをトリプルガラスといいます。ペアガラスより断熱性能が高くなっているのが特徴です。

Low-Eガラス

表面に熱の伝わりを抑える特殊なLow-E膜という金属膜をコーティングし、断熱性や遮熱性を高めた窓です。

Low-E複層ガラス

複層ガラスで、内側に熱の伝わりを抑える特殊なLow-E膜という金属膜をコーティングした「Low-E複層ガラス」はエコガラスとも呼ばれ、1枚ガラスより約3.5倍の断熱性能を発揮するとの調査結果もあります。サッシの交換や、ガラスを複層ガラスやLow-Eガラスに交換すると、断熱性能が高まります。

内窓

今ある窓の内側に「内窓」と呼ばれる窓をもう1つつける「二重窓」という方法もあります。窓自体を交換する場合より、工事が短時間で済み、費用も抑えられることから取り入れやすいエコリフォームです。デザイン性にもすぐれたものが多いので、ぜひご検討ください。

エコリフォームで活用できる補助金制度

エコリフォームを行った住宅は、一定の条件を満たせば補助金の対象となることもあります。省エネルギーや性能向上のためのリフォームで使える補助金制度を3つご紹介します。

住宅エコリフォーム推進事業

「住宅エコリフォーム推進事業」は、住宅を建て替えやリフォームする際に、国が費用を補助する制度のことです。ZEHレベル、つまり「断熱性能の向上、省エネを促す高性能な設備、太陽光発電の導入により、エネルギー収支をゼロとすることを目指した住宅」を増やす目的があります。

対象条件● 省エネ診断、省エネ設計、省エネ改修(建替えを含む)の費用
● 令和5年4月1日以降に契約し事業者登録後に工事着手したものなど
補助限度額省エネ診断の補助率:1/3
省エネ設計、省エネ改修(建替えを含む)補助限度額:35万円/戸(補助対象費用の40%を限度とする)
交付申請の受付期間令和5年5月26日(金)~予算上限に達するまで
※重要※
令和5年7月3日に補助金申請額が予算上限に達したため、交付申請の受付を終了しました。

令和5年7月時点でこちらの申請は終了していますが、今後もZEHレベルの省エネルギーで高性能な住宅は、補助対象として有利になる傾向があるでしょう。リフォームをお考えの方は、ぜひ住宅の性能基準に注目してください。

出典:国土交通省「令和5年度「住宅エコリフォーム推進事業」の募集を開始します!」

既存住宅における断熱リフォーム支援事業

エネルギー消費を抑えるため、既存住宅の高性能建材を使った断熱改修をするときに、費用の一部を補助する制度です。公益財団法人北海道環境財団が行っていますが、全国どこでもお使いになれます。

対象条件● トータル断熱(断熱材、窓、ガラスを用い、住まい全体での断熱改修)をこれから行う場合
● 居間だけ断熱(窓を用い、居間をメインに断熱改修)をこれから行う場合
● 財団が指定する対象製品を使うこと など
補助限度額補助率:補助対象経費の1/3以内
戸建て住宅:120万円/戸(玄関ドアも改修の場合、5万円を含む)、その他蓄電システムや蓄熱設備等にも補助あり
マンション:15万円/戸(玄関ドアも改修の場合、20万円/戸)、その他熱交換型換気設備等にも補助あり
交付申請の受付期間令和5年9月4日~令和5年12月8日17時メール必着
期間内でも住宅区分ごとの申請金額の合計が予算に達した日の前日をもって公募終了

出典:公益財団法人 北海道環境財団「【全国対象】既存住宅における断熱リフォーム支援事業」

長期優良住宅化リフォーム補助金

既存住宅の性能向上や、子育てしやすい環境づくりのための優良なリフォーム費用を補助する制度です。一定水準を満たす評価基準型と、認定長期優良住宅型にわかれます。

対象条件● 戸建住宅又は共同住宅のリフォーム工事
● インスペクション(物件調査)を実施し、維持保全計画・履歴を作成すること
● 工事後に耐震性と劣化対策、省エネルギー性が確保されること など
補助限度額補助率:1/3
評価基準型:100万円/戸
認定長期優良住宅型:200万円/戸
※どちらも「三世代同居対応改修工事を実施する」、「若者・子育て世帯が工事を実施する」、または「既存住宅購入者が工事を実施する」、「一次エネルギー消費量を省エネ基準比▲20%とする」の条件を満たすと50万円加算
交付申請の受付期間通年申請タイプ、事前採択タイプともに令和5年12月22日(金)必着※予算の申請状況に応じて、期限の短縮または延長の可能性あり
※重要※今年度の評価基準型の交付申請は令和5年5月18日に締め切られました。
認定長期優良住宅型の交付申請は継続しています。

評価基準型の交付申請の受付再開ができるかは未定ですが、住宅登録は引き続き可能となっており、もし今年度の交付申請受付が再開した際は、登録済の住宅登録を用いての交付申請が可能になる予定です。ぜひ最新情報をチェックしてください。

出典:国土交通省「令和5年度「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の募集を開始します!~既存住宅の性能向上、子育てしやすい環境等の整備に向けて~」

まとめ

エコリフォームは断熱性能の向上や自然素材の利用によって、光熱費の節約、住宅の長寿命化、シックハウス症候群対策など、多くのメリットが得られます。環境にやさしい、省エネルギーな住まいへの補助金制度も多くあり、うまく活用していくことがポイントです。

エコリフォームは、自然素材への知識が豊富で、活用できる補助金制度に詳しいリフォーム会社に相談しましょう。スペースアップは2003年1月に大阪で最初に「脱塩化ビニール」を宣言しました。真剣に「エコリフォーム」に取り組んでいますので、少しでも気になった方はお気軽にご相談ください。

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記事の監修者

設計士

西村佳晃

一級建築士 / 一般耐震技術認定者 / 宅地建物取引士

建物の構造に関する判断を行い、 地震に強く、安心して住める『強い家』を設計。プランナーの提案する図面を建築基準法に基づいた設計基準に照らし合わせ、 必要な補強を行い、採光などバランスの一番良い設計図面として仕上げます。

建物の構造に関する判断を行い、 地震に強く、安心して住める『強い家』を設計。プランナーの提案する図面を建築基準法に基づいた設計基準に照らし合わせ、 必要な補強を行い、採光などバランスの一番良い設計図面として仕上げます。