リフォームコラム
【項目別】ベランダ・バルコニーリフォームの費用相場|注意点も

【項目別】ベランダ・バルコニーリフォームの費用相場|注意点も

洗濯物をしたり、ガーデニングをしたり、休憩スポットになったりと、幅広い使い方ができるベランダやバルコニー。
マイホームにベランダやバルコニーを設置して年月が経つと、気になるのは劣化ではないでしょうか。ベランダやバルコニーは外に出ている場所であるため、雨や風に当たることも多く、劣化は避けられません。

そこで検討したいのがベランダ・バルコニーのリフォームです。今回は、ベランダ・バルコニーのリフォームの費用相場について、注意点とともに解説します。

ベランダ・バルコニーのリフォーム前に知っておきたい基礎知識

ベランダ・バルコニーをリフォームする前に、それぞれの基本情報を知っておきましょう。

ベランダ・バルコニーの違い

ベランダとバルコニーには、以下のような違いがあります。

ベランダ
  • 屋根がある
  • 屋根(庇)があり、雨よけになる
  • 2階以上に設置される場合が多い
バルコニー
  • 屋根がない
  • 2階以上に設置される
  • 屋根で日差しがさえぎられず開放感がある

ベランダとバルコニーの大きな違いは、屋根があるか・ないかです。
屋根があるベランダなら、少しの雨であれば洗濯物を干していても濡れる影響が少なく済みます。バルコニーは屋根で日差しをさえぎられないため、部屋に光を取り込めて、窓を開けておくことで開放感もでやすいです。

ベランダ・バルコニーのリフォームタイミング

ベランダやバルコニーは、リフォームや定期的なメンテナンスが必要です。

その理由は、ベランダやバルコニーは雨や風にさらされやすく、室内よりも劣化が早いから。防水機能を失って雨漏りを起こし、建物寿命を縮める原因にもなります。

ベランダやバルコニーの手すりなどが傷んでいると、見た目が悪いだけでなく事故やケガのリスクも上がるため注意が必要です。安全に過ごすためにも、定期的なメンテナンスやリフォームを欠かさないようにしましょう。

自宅のベランダ・バルコニーに以下のような劣化が現れたら、リフォームを検討しましょう。

  • 床や手すりがきしみ始めた
  • 床や壁、手すりなどにひび割れや破損が見られる
  • 水はけがうまくいかず、水漏れや水たまりができている
  • 金属部品に腐食やサビが発生している
  • 塗装が剥がれたり色あせたりしている

また、ベランダ・バルコニーのリフォームは、不具合の改修だけでなく、機能追加としても有効です。「洗濯物を干す動作をもっとスムーズに行いたい」「屋根をつけたい」、などもリフォームを考えるきっかけになるでしょう。

ベランダ・バルコニーリフォームの費用相場|項目ごとの相場・工期も

ここからは、ベランダ・バルコニーのリフォームの費用相場と予想される工期を、項目ごとにご紹介します。

費用相場はリフォーム内容・リフォーム会社によって変動するため、どのリフォームの優先度が高いかを検討したうえで、いくつかの会社と費用の比較をすると良いでしょう。

手すりの錆止め

ベランダ・バルコニーに鉄製の手すりがついている場合、定期的に錆を防ぐための塗装が必要です。鉄部が錆びるとボロボロになってしまい、転落事故やケガの原因にもなります。

リフォーム内容費用相場工期の目安
錆止め工事約8~15万円2日~

定期塗装のタイミングは、5年周期が目安。表面の塗装が剥がれて下地が見えていたり、既に錆が発生している場合は、リフォームを検討しましょう。劣化する前に塗装をすることで、錆が広がるのを止め、手すりを交換するタイミングを遅らせることができます。

手すりの交換

手すりがぐらついたり、ヒビが入っていたりする場合、手すりそのものを交換することでベランダの安全性を高めることができます。

リフォーム内容費用相場工期の目安
手すり交換工事約10~30万円2日~

手すり交換工事の費用に含まれるのは、手すり本体と施工費用です。手すりには金属や樹脂、天然木、ガラス張りなどさまざまな素材があり、どのような手すりに交換するかによっても費用に差があります。

防水リフォーム

ベランダやバルコニーの床の表面には防水加工が施されており、経年とともに防水層が劣化してきます。雨漏りや躯体の劣化にもつながるため、定期的に防水機能を高める防水リフォームを行いましょう。

防水リフォームは、工法によって費用が異なります。ここでは、一般的な4つの工法ごとの費用をご紹介します。

防水工事の種類費用相場工期の目安
FRP防水約8~20万円1~2日
ウレタン防水約6~20万円1~10日
シート防水約5~9万円1~4日
アスファルト防水約20~30万円1~4日

FRPとは繊維強化プラスチックのことで、白いシートのような防水層を敷く工法です。上から樹脂を塗って硬化させるので、プラスチックのような硬さをもつ床になります。費用はやや高めですが軽量なので、築年数がたったベランダなどにも向いています。

ウレタン防水とは、液体状のウレタン樹脂を何回か塗って固める工法。既存防水層の上から重ね塗りもでき、弾力のある床になります。つなぎ目のない防水層ができ、形状が複雑な場所にも施工しやすいのが特徴です。

シート防水工法は、塩化ビニールや合成ゴムなどの素材のシートを床に貼り付けます。複雑な形のベランダやバルコニーにはつなぎ目が見えてしまうため向いていませんが、伸縮性があるため亀裂した下地にも対応でき、施工費用が安く済むことがメリットです。

アスファルト防水は、合成繊維不織布にアスファルトを含ませて、ルーフィングを貼り重ねる工法です。耐用年数が長い(約20年)のが特徴で、広い面積のベランダや屋上によく採用されます。

屋根の設置

バルコニーに屋根をつけると、雨風や紫外線を防ぐことができます。突然の雨から洗濯物を守れたり、紫外線を避けてお子様を遊ばせられたりするのがメリットです。屋根がつくことで部屋の中に直射日光が差し込みにくくなるので、夏場暑くなりにくくエアコン効率も上がります。

リフォーム内容費用相場工期の目安
屋根設置工事約10~20万円1~2日

屋根の設置は、使用する素材や取りつけるバルコニーの面積によって費用が変わります。バルコニーの屋根の種類には、屋根が真っすぐになっているフラット型と、屋根の前側が緩くカールしているアール型があります。

ウッドデッキの設置

ベランダやバルコニーの床をウッドデッキへリフォームすることで、あたたかみのあるベランダに変えられます。また、室内とバルコニーの床材を同じ素材や色合いにすると、部屋とベランダ・バルコニーが一体化した開放感が生まれます。

リフォーム内容費用相場工期の目安
ウッドデッキ設置工事約10~70万円1日~

ベランダやバルコニーをウッドデッキにリフォームする際に気を付けたいのが、ウッドデッキの素材です。ウッドデッキに天然木を使う場合、耐久性が低く、劣化が早まる可能性が高いため、耐久性のある樹脂製の人工木を使うと良いでしょう。

サンルームへの変更

ベランダやバルコニーは吹きさらしの空間ですが、屋根や壁をつけるとサンルームへ変更できます。ガラスなど光を通す素材なら、日差しは入れながら、雨は防げる場所に。天候や花粉を気にせず洗濯物を干せたり、植物を育てたり、子どもが小さなうちは遊び場にしたりと、活用の幅が広がります。

リフォーム内容費用相場工期の目安
サンルーム設置工事約40~100万円2日~

オーダーメイドでサンルームをつくることもできますが、屋根や壁のパネルに窓がついた既製品もでており、工期や費用を抑えながらサンルームをつくれます。さまざまなサイズのベランダに対応できるよう、サイズ展開も豊富です。

ベランダ・バルコニーの拡張

ベランダやバルコニーの幅や奥行きを広げると、洗濯物を干しやすくなったり、遊び場としての使いやすさがぐんとアップ。複数の部屋のベランダをつなげれば、ベランダを通って他の部屋へ移動できるようにもなります。

リフォーム内容費用相場工期の目安
拡張工事約30~60万円2日~

工事費用は、どれくらいの大きさに拡張するかや使用する素材によって変動します。デザイン性の高いベランダやバルコニーにする場合は、費用も高めになるでしょう。

ベランダ・バルコニーの新設(後付け)

ベランダ・バルコニーがない場合は、窓の前に新設(後付け)できる場合もあります。自宅前に駐車場がある場合は、その上にバルコニーを設置することで、下から見るとカーポート代わりにもなります。

リフォーム内容費用相場工期の目安
新設(後付け)工事約20~150万円3日~

ベランダ・バルコニーを新設するリフォーム費用には、かなりの幅があります。設置場所やデザイン、窓の位置など、ベランダ・バルコニーを後付けする場所で費用が大きく変わる可能性があるため、考えている場所にベランダやバルコニーを設置できるかどうかも含め、リフォーム会社へ相談しましょう。

【予算別】ベランダ・バルコニーリフォームの例

ベランダ・バルコニーのリフォーム例を、予算別にご紹介します。

~20万円

ベランダ・バルコニーのリフォームは、20万円以下でできるものがいくつかあります。

事例1. ベランダの錆止め塗装

費用約8~15万円
施工期間2日~
施工箇所手すり、柵

ベランダ・バルコニーの定期的なメンテナンスの一環として、錆止めを塗り劣化を防ぐ作業です。

事例2.防水機能の施工

費用FRP防水:約8~20万円
ウレタン防水:約6~20万円
シート防水:約5~9万円
施工期間1~10日
施工箇所

既存のベランダの防水機能を高める作業です。アスファルト防水以外の3つの施工方法は20万円以内でリフォームを依頼できるでしょう。3種類の施工方法によって塗り替え(張り替え)の頻度やできるベランダ・バルコニーの種類が異なるため、リフォーム会社に確認することが大切です。

事例3.バルコニーへの屋根の設置

費用約10~20万円
施工期間1~2日
施工箇所バルコニー上部

小規模のバルコニーに屋根を新設する場合は、20万円以内でリフォーム可能です。ただし、屋根の素材をグレードアップすると、20万円を超える可能性があるため注意しましょう。

~50万円

ベランダ・バルコニーのリフォームにかける予算を50万円まで上げることで、できる幅も広がります。

事例1. コンパクトなベランダ・バルコニーの増設

費用約30~50万円
施工期間3日~
施工箇所増設

1坪以下のベランダ・バルコニーの後付けは、50万円以内でリフォームできる場合があります。目安のサイズは幅が約180cm×奥行き約90cmです。増設する場所や選ぶ素材によっては価格が変動する可能性があります。

事例2.手すり交換

費用約10~30万円
施工期間2日~
施工箇所手すり

手すり交換は10〜15年を目安に交換を検討することで、ベランダ・バルコニーの安全性が確保できます。

~100万円

100万円までの予算内なら、ベランダを交換することや、サンルームの設置などもでき、より快適な生活環境になります。

事例1. スチール製のベランダをアルミ製に交換

費用約60~100万円
施工期間10日~
施工箇所ベランダ本体

ベランダの耐久性を高めて安全なものにするために、木製やスチール製のベランダをアルミ製に交換するリフォームです。アルミの素材は劣化しづらいため、交換後のメンテナンスコストを抑えられます。交換だけではなく、ベランダ増設の場合も長期的なメンテナンスも考えて素材選びをすると良いでしょう。

事例2.サンルーム設置

費用約30~100万円
施工期間2日~
施工箇所ベランダ周り

ベランダ・バルコニーをさらに有効活用する場合にはサンルームの設置もおすすめです。ベランダ全てを覆うのではなく、一部をサンルームにすることも可能なため、予算に合わせた設置が検討できます。

100万円~

100万円を超えたベランダ・バルコニーのリフォームは、素材をアップグレードしたり、増設したりなど、できる幅がさらに広がります。

事例1. ベランダ・バルコニーの増設

費用約100~150万円
施工期間3日~
施工箇所

家の窓に新たにベランダやバルコニーを増設する場合、100万円以下のリフォームも可能ですが、100万円以上であればベランダの中に散水栓を設置したり、耐火性・防火性のある素材を選んだりすることもできます。

事例2.ペットも遊べるベランダへリフォーム

費用約100~150万円
施工期間3日~
施工箇所床、手すり、柵

ペットと共に暮らしている場合、ペットが遊べるようなベランダにリフォームすることも可能です。具体的なリフォーム方法には、ペットの足腰に負担のかからない床材に変更する、キャットウォークを作る、目隠しを作るなどがあります。

ベランダ・バルコニーのリフォームを行う際の注意点

引用元:LIXIL ビューステージHスタイル

ベランダやバルコニーを増設する際には、専門知識のあるリフォーム業者に依頼するのが一般的です。簡単なリフォームであればDIYも可能ですが、その際には必ず注意点を確認するようにしましょう。また、リフォーム業者への相談や見積もり依頼の際には費用がかかる可能性があるため、その費用を考慮しておくことも大切です。

「防水性・耐水性」は最も重要となる

ベランダやバルコニーは雨水や湿気に直接さらされるため、防水性・耐水性は非常に重要です。防水層の劣化は水漏れの原因となり、構造にダメージを与える可能性があります。まずはベランダの劣化を確認したうえで、まず防水性能を確保するためのものから優先しましょう。

マンションの場合は個人の判断でリフォームを行えない

マンションでは、外観や構造に影響を与えるリフォームについては、通常、管理組合の規約や承認が必要です。その理由は、マンションの外観の統一性や建物の安全性を保つ必要があるからです。

マンションのベランダは共有部分に該当します。火災が発生したとき、ベランダは避難経路になるため、避難を妨げるようなリフォームをすることは禁じられています。

ただし、マンションによっては簡単なリフォームであればOKの場合もあるため、リフォームを行う前に、マンションの管理規約を確認すると同時に、管理組合へ相談しましょう。許可なくリフォームを進めると、後で問題になる可能性があります。

増設の際は「建ぺい率・容積率」を超えないようにしなければならない

ベランダやバルコニーを拡張や新設する場合、建物の建ぺい率や容積率が規制の範囲内であることを確認する必要があります。建ぺい率・容積率は、敷地内における建築面積や建築の容積に関する規制です。増設を検討している際は、建ぺい率や容積率が指定の範囲を超えないように注意しましょう。

増設の際は「建築確認申請」が必要となる

10㎡超の増設など、大幅なリフォームを行う場合、建築確認申請が必要になることがあります。これは、リフォームが建築基準法に適合していることを確認するために必要な手続きです。建物所在地が防火地域又は準防火地域以外で、10㎡以下の増築は建築確認申請は不要です。

建築確認申請は専門的な知識や複雑な手続きを含むため、設計事務所やリフォーム会社など、専門家がいる場所に相談することがおすすめです。建築確認申請の書類を作成してもらうためには、約10〜25万円の費用がかかる可能性があります。

まとめ

ベランダやバルコニーは、室内に比べ雨風の影響で劣化が早まります。定期的なメンテナンスや、激しい劣化が見られる場合はリフォームをして安全性を高めましょう。

ベランダ・バルコニーのリフォームは、予算によってできることが異なります。ベランダ・バルコニーの使用目的や、既存のベランダ・バルコニーの問題点を把握したうえで予算を決めてリフォームを行うことが大切です。

ベランダ・バルコニーのリフォームでお悩みの方はスペースアップにご相談ください。ご予算やご要望に応じたリフォームプランをご提案します。

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記事の監修者

リフォームアドバイザー

藤本塁

お客様のお困りごとやご要望を伺い、提案から完工までをトータルでサポート。お客様からのご依頼に合わせて、豊富な知識と経験を駆使し、安心安全快適な暮らしをご提案。商品の特性や選び方から費用の目安など、理想の暮らしをご検討する際のポイントや注意点を、わかりやすくお伝えします。

お客様のお困りごとやご要望を伺い、提案から完工までをトータルでサポート。お客様からのご依頼に合わせて、豊富な知識と経験を駆使し、安心安全快適な暮らしをご提案。商品の特性や選び方から費用の目安など、理想の暮らしをご検討する際のポイントや注意点を、わかりやすくお伝えします。